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中学・高校受験:学びネット

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四條畷学園中学校

 
  学歴至上神話の崩壊で
社会が求める6年一貫教育
大学受験に照準を合わせることが中高一貫校のめざす教育なのか。四條畷学園の問いかけが、関西私学教育の「ゴール」の認識を変えようとしている。求められる社会人像を各界より傾聴すれば、学力以外の諸能力の育成が喫緊の課題であることを痛感し、6年一貫コース設置の契機となった。後発だからこその揺るぎないコンセプトと練られたカリキュラムが際立つ。着実に実行力をつけるプロジェクト教育の2年目を取材した。

校 長: 梶尾 晃
住 所: 〒574-0001 大阪府大東市学園町6-45
電 話: 072-876-1321
交 通: JR学研都市線「四条畷」駅東出口から徒歩1分、京阪・近鉄バス「四条畷」停留所から徒歩1分
学生数: 535名 (2011.11.1現在)
ホームページ: http://www.shijonawate-gakuen.ac.jp/

 

なぜ、6年一貫なのかを
問い直すとき

 新卒者の就職率の低迷はもとより、ようやく就職しても早期の離職率の高さが社会問題化している。大学は卒業したけれど、就きたい仕事が見つからない、打ち込めない、何をすればいいのか分からないという若者が増えているためだ。高学歴にもかかわらず、である。

 四條畷学園ではこうした現象をふまえ、新たな中高一貫教育の必要性を感じたのが約10年前。昨年、「6年一貫コース」の一期生を迎えるまで、各分野で活躍の職業人より多くを傾聴し、あるべき中等教育のビジョンを固めた。

 その中で、異口同音に求められた人材像は、@コミュニケーション能力を持っていることA主体性を持っていることB問題発見および解決能力を持っていることに集約された。これらの能力をまとめて四條畷学園は「人間力」と呼び、そのスキルを磨くカリキュラムを十分に設けることで、社会に通用する人間の育成を目指したのである。

 ただし、社会が要求する問題の解決に人間力のみで対することはできない。四條畷学園の3年コースがこれまでに培ってきた難関国公私立の高校合格へのノウハウを活かしながら、徹底的に「学力」「知識」「思考力」を定着させる。「人間力」と「学力・知識」をバランスよく併せもってはじめて問題を解決することができ、なおかつ、夢をものにする「実現力」を発揮できるのである。

 四條畷学園では、この実現力を備えた人材の育成を基本コンセプトとし、生徒一人ひとりが夢を実現する過程で自分自身を創りあげていくプロジェクトとしての6年一貫コースを設置した。

 一期生たちはこの一年、自らの軌跡を振り返りながら、大学進学の必要性を感じながらも、そのこと自体を目的化してはいない。夢や使命に向かうため、必要な知識を得る場として認識し始めたのだ。

年間出席日数250日だから
できる、本格プロジェクト

 具体的にプロジェクトの中身を見てみよう。まず、錚々たる顔ぶれの講師が目を引く社会人講座がある。月1回という開催頻度の高さに、取り組みの深度がうかがえる。

 第1回目は大阪大学医学部教授で阪大病院副院長の吉川秀樹氏が「大切なものは目に見えない」をテーマに講演。2回目以降は京都大学理工学部で原子核物理学が専門の井上信氏、ケニアでボランティア医療に携わる森功氏、正岡子規の子孫で樹木医の正岡明氏ほか、建築家、フリージャーナリスト、弁護士、映画監督などが講演している。

 四條畷学園中学校校長代理で6年一貫コースの牽引役である河口俊彦教諭は、「講師の先生方は6年一貫コースのコンセプトに賛同され、おいでいただいた方ばかり」と、同コースの開設趣旨が知識人に好意的に受け止められている点をうかがわせた。

 一風変わった合宿も学園固有の取り組みといえるだろう。入学後すぐに行われる合宿といえば、オリエンテーションや勉強目的の合宿が一般的だが、「人の話を聴く」をテーマに、2泊3日の日程すべてを教師の話を聴いて書きとる訓練に充てている。走り書きしたメモを清書し、読み返して、最後に感想を書く。

 一連の学習は「咀嚼する力」を養い、続けることで「伝える力」をも身に付けていく。無論、コミュニケーション能力を培う目的で行われるのだが、合宿で会得した習慣は、その後の授業でも活かされる。真摯に耳を傾ける態度は、意見を述べる側の話者にとっても快適な環境をもたらし、自己の意見を表明する習慣をつけさせるという。

 あるディベートの授業を参観した保護者からは、見違えるように堂々と意見を言う子どもの姿に驚いた、という声も寄せられている。

 6年一貫コースならではのカリキュラムや工夫を凝らした取り組みは、ほかにもあるが、これらの一つひとつを丁寧に掘り下げ実践していくには、十分な時間の確保が前提。このため、同コースの年間総授業時間数は文科省標準の1015時間に対し1600時間以上と多く、夏期休暇も10日余りに短縮されている。

直接、見て、聞いて
学園の雰囲気を感じて

 本誌が学園を訪れたのは、9月下旬の放課後であった。中庭には部活の練習をする生徒の姿が見られ、体育館からは溌剌としたかけ声が漏れ聞こえていた。文化祭に出品する油絵の仕上げにかかる生徒や、自習室で一日の復習をする生徒など、日が暮れた後も、思い思いに活動する生徒が多い学校という印象を受けた。JR四条畷駅から徒歩で1分という通学至便な立地も影響し、放課後の生徒たちの活動を伸びやかにしているようだ。

 河口校長代理も「パンフレットやホームページよりも、実際の学校や生徒の様子をご覧いただき、6年一貫コースの教育内容を直接ご説明させていただければ、魅力は伝わるはず」と、教育内容に自信をみせていた。

 今後の入試説明会は11月19日(土)、12月4日(日)だが、学校見学は随時受け付けている。11月19日の学校説明会では、希望者に入試の傾向がつかめるプレテストも実施される。

 
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