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中学・高校受験:学びネット

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大阪信愛女学院 中学校・高等学校

 
  大学との授業連携で高度な教育を実践 現代女性らしい知性と感性を育む
明治17年創立、日本でも指折りの歴史を持つミッションスクール、大阪信愛女学院。キリスト教を基盤とした伝統の女子校は、近年、キャリア指導や理科教育の分野で大きな成果を見せている。2年前に新設された生命科学、看護医療コースでは、理系を目指す生徒を対象に細密な授業を展開。連携大学との相互交流も盛んで、高度な教育プログラムを実践している。また芸大志望者への応援や、芸術の国フランスを修学旅行先に選ぶなど、豊かな精神を育むための工夫も大きな特長だ。

校 長: 縄田 、子
住 所: 〒536-8585 大阪市城東区古市2-7-30
電 話: 06-6939-4391
交 通: 地下鉄今里筋線「新森古市」駅より南へ5分、京阪「関目」駅より東へ15分、地下鉄長堀鶴見緑地線「今福鶴見」駅より北へ15分、地下鉄谷町線「関目高殿」駅より18分
学生数: 中学校 292名
高等学校 533名 (2011.9.1現在)
ホームページ: http://www.osaka-shinai.ac.jp

 

理系女子を応援する専門性の高い授業
今後は海外の大学との連携も視野に

 高大連携を行う学校は多いが、大阪信愛女学院ほど大学とのパイプを強固にしている学校は、まだ多くはないだろう。現在、同志社女子、帝塚山学院、関西外語、大阪電気通信、大阪樟蔭女子、近畿大の6大学と教育連携を行う同校。これは進学前提ではなく、あくまでも教育内容の高度化が主目的。高校には進路に応じた7コースが設置されているが、例えば、薬学部などの難関私大理系を目指す「生命科学コース」では、連携大学から研究員が来校。土曜の午後に特別授業を行っている。これまで「ホタルの発光メカニズム」や「DNAの抽出」など本格的な実験プロジェクトも実施。「看護医療コース」では信愛短期大学の看護学科や近隣の病院に出向き、介護設備を使用した講義も行っている。

 連携校以外にも、大阪教育大の教授陣が1週間の特別講義を行ったり、佛教大の教育学スペシャリストが講話をするなど、地域大学との教育面での連携が非常に活発に行われている。「現場へ行く。その道のプロに訊く。様々な人と直接ふれることによって、生徒は進路を深く考えることができます。幸せな人生を送るため、一番ふさわしいキャリアを築いてほしい。そのための連携でもあるんです」と松尾誠副校長は高大連携強化の狙いを話す。 

 同校は音声学を取り入れた英語教育も導入しているが、今後は外国の大学との連携も視野に入れ、より高度な英語教育も目指す方針だ。

 中学では来年度から、従来の2コースを受験時において一本化。文理コースとして新たなスタートを切る。背景には、入学してからの能力を最大に伸ばしたいとの狙いがある。「どの生徒も中学3年間は大いに伸びる可能性があります。それを引き出していくのは我々教師の責任。入学時にあえてコース分けをせず、生徒全員の意欲を高めていきたいのです。その後2年間の学校生活を通して2つのコースの設置を考えています。」と松尾副校長。

芸術系大学への進学希望者には
最大限のカリキュラム配慮を実施

 伝統を礎に、女子教育ならではの優位性をうまく打ち出しているのも着目すべき点だ。そのひとつが芸術系大学進学のサポート体制。高校の「総合進学コース」では、美術・音楽など芸術系への進学希望者に対し、最大で週に6時間の芸術科目を履修できるようカリキュラムが工夫されている。「芸術大学受験はとにかく時間を要します。レッスンや理論習得に少しでも時間をさけるよう、学校をあげて応援する態勢が整っています」と話すのは、自ら数多くの生徒を音楽系専門大学に送り出してきた音楽の西谷益子先生。

 音楽・美術進学希望者には校内で個別指導を行ったり、夏期休暇時に特別授業を設定するなど、教員の奮闘も並大抵ではない。「音楽に関しては、これまでも音大を目指す生徒のために校内演奏会を開催し、人前で演奏する機会を積極的に作ってきました。経験を積めば自信がつきますし、入試への訓練にもなります」

 高校に入ってから芸術方面に興味を持ち、3年生になって本格的に芸術系大学を志望。結果、合格する生徒も少なくないという。ここにも生徒の適性を最大限に引き出す同校の姿勢が表れている。

修学旅行は文化の国フランス
歴史にふれて豊かな感性を育む

 女子教育という点では、フランスへの修学旅行も大きな特長だ。高校では1週間の旅程でパリのベルサイユ宮殿、ルーブル美術館、オペラ座など、ヨーロッパを代表する文化遺産にふれる。同校の設立母体である「ショファイユの幼きイエズスの会」の本部がフランスにあることから、聖地ルルドでは特別に教会のミサにも出席。「ヨーロッパは大人になってから行く旅先だと言われますが、感受性豊かな10代でこそ行くべきだと思います。素晴らしい文化の力に圧倒されるためか、帰国すると生徒は好奇心が旺盛になりますね」

 英語圏の修学旅行を実施する高校は少なくないが、フランスという歴史文化の宝庫をあえて選択するのには、感性豊かな女性に育ってほしいというミッションスクールらしい願いも込められている。
修学旅行は沖縄・八重山諸島との選択制になっているが、半数近くの生徒はフランスを選び、1年生のうちから歴史や文化を少しずつ勉強して、フランス旅行に備える。

 取材中、胸を打たれる逸話を伺った。昭和20年、同校では戦争末期の混乱で卒業証書を手にすることができなかった。当時の卒業生のために、この7月、なんと66年ぶりに卒業式が開かれたのだ。生徒はすでに80代半ば。それでも全国から25名のうち6名のOGが集まり、念願の卒業証書を受け取った。学校では当時の校長の式辞を、現校長が代読する形で行うとともに新旧校歌の斉唱も行われた。

 「みなさん、今でも定期的に食事会を開くほど仲が良いそうです。本校は卒業してから帰ってきてくれる生徒が本当に多いです。生涯に渡る友情をはぐくむことができるのは、私学の、女子校の良さだと思います。」と松尾副校長は目を細める。

 女子校ならではの価値が見直される昨今、今後の展開が非常に興味深い。

 
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