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中学・高校受験:学びネット

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金蘭会中学校 英語発展クラス

 
  最先端のデジタル教科書で高度な授業
 明治38年創立、100年余の歴史を持つ金蘭会中学校。女子教育の伝統を踏まえた上で、近年は英語教育に力を注いでいる。その一環として、2009年度、最先端の「デジタル教科書」を導入。紙の教科書では実現し得なかった高度な授業が各方面から注目を集めている。。

 

 授業は習熟度別で行われる。記者が見学した3年生「英語発展クラス」は、成績上位者で編成されたクラスだ。生徒は17名。始業チャイムが終わるや否や、英語科主任の宿口信子先生がホワイトボードに次々と単語(日本語)を映し出す。まずはフラッシュカード。「cave」「mystery」……生徒は声を揃えて英訳を唱和していく。

 教室前面に設置されているのは、黒板ではなく専用のホワイトボード。ここにプロジェクターから教科書の内容が投影される。ボードを専用ペンでタッチすると、音声が流れる。上部に取り付けられたユニットが位置情報を読み取り、該当箇所の音声を即時に再生するという仕組みだ。基本操作はすべてパソコンである。

 フラッシュカードが終わると、息つく暇もなくリスニング。スピーカーからネィティブの読む長文が流れてくる。じっと耳を傾ける生徒たち。続いて設問。各自が答えをノートに筆記。この間、先生は要点を素早くボードに書き出していく。かなりのスピードだ。ここまでで、まだ10分しか経っていない。
「とにかく生徒が退屈しないよう、スピード感を意識しています。耳で聞いて口でしゃべって手で書いて、全身をフルに使う授業を心がけています。デジタル教科書は、それを可能にしてくれる非常に便利なツールです」と宿口先生は、授業作りのコンセプトを語る。

 これまでの紙の教科書の場合、板書の時間がどうしても必要となる。それがロスタイムとなって、授業の緊張感を削ぐことも少なくない。しかし、デジタル教科書は、クリックひとつで教材を切り替えられ、板書もそのままデータとして保存できる。削除するのも一瞬だ。この即時性が心地よいリズムを生み出し、集中力を醸し出している。
「デジタルになって生徒が下を向かなくなりました。常に前方を向いているので、集中力も高まりましたし、姿勢そのものが変わりましたね」

 この日は、間近に迫った英検対策として問題集にも取り組んだ。金蘭会中学では、すべての生徒が英検を受験する。指名された生徒が次々と答えを発表。これもかなりなスピードだ。この他、生徒がペアになっての「早読み大会」や「ディレクション読み」も取り入れている。前者は、制限時間内に何行読めるかを生徒同士で競争する。「一度、早読みをすれば、次からは普通のスピーキングがゆっくり感じられるようになるんです」という宿口先生。徹底的に音読することで、身体を英語に慣れさせるのが目的である。

 そして、英単語の和訳。ボードに次々と現れる単語を瞬時に和訳していく。最後に、手作りの要点プリントと単語カードが配られる。生徒はすぐさま、自分のノートに貼り付け、復習の準備も授業中に完了。

 50分間の授業に、単語暗唱、筆記、リスニング、スピーキングなどさまざまな英語学習の手法が盛り込まれている。授業後、生徒に感想を聞くと、みんな一様に「疲れた!」と笑顔で答えてくれた。これだけのカリキュラムをこなせば、当然だろう。デジタルツールを活用することで、より密度の高い授業が可能な時代になったのだ、と実感した。

 
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