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中学・高校受験:学びネット

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同志社中学校・高等学校

 
  広大な新キャンパスで始まる 次の百年を見すえた教育
比叡山・北山・宝が池に包まれた京都岩倉の地に、今春、同志社中学校・高等学校の新キャンパスが誕生した。一挙に建替えられた7棟をはじめ、広大な二つのグラウンドや一つのタウンを思わせる最新の設備を備えた校舎群が注目されている。8月、新キャンパスに中学校が合流し、中高の連携教育がこれまで以上に推進されるとみられる。新島襄によって創立されてから135年、「良心教育」という理想によって打ち立てられた同志社ブランドは、中等教育分野で新たな百年を刻み始めた。

校 長: 木村 良己
住 所: 〒606-8558 京都市左京区岩倉大鷺町89
電 話: 075-781-7121
交 通: 京都市営地下鉄・烏丸線「国際会館」駅2番出口すぐ
学生数: 中学校 878名
高等学校 1,134名 (2010.9.1現在)
ホームページ: http://www.js.doshisha.ac.jp

 

語り継がれる「一国の良心」を
新キャンパスで受け継ぐ

 京都市営地下鉄・烏丸線の「国際会館」駅を出ると、目の前に同志社中学校・高等学校の門があり、そこから10万平方メートルのキャンパスが広がっている。
その広大な敷地に、高等学校のホームルーム教室棟である「桑志館」、中学校の教科センター方式を具現化する教室棟である「立志館」、「礼拝から始まる学校生活」を支えるチャペル棟「宿志館」、これら3つの「志」を核として、それらを支えるように共用管理棟「恵潤館」、創作芸術棟「想遠館」、北体育館「雄飛館」が建ち並び、図書と情報・プレゼンテーションステージなどを備えたメディアセンター「知創館」、実験室や天体望遠鏡が設置された自然科学棟「万象館」など、各種機能を有した建物群が自然豊かな岩倉キャンパスに完成した。これを機に、今出川にあった中学校が今年8月、岩倉キャンパスに合流した。

 木村良己校長は「このキャンパスで次なる百年の歴史を刻むという気持ちで、新島が志した『一国の良心』ともいうべき人物が育つ教育環境創り=『IWAKURA百年計画』を推し進めていきます」と抱負を語った。

 一国の良心とは、「一国を維持するのは、決して二、三の英雄の力ではない。実に一国を形成する、教育があり、知識があり、品性の高い人たちの力によらなければならない。これらの人たちは『一国の良心』と言うべき人たちである。そして私たちはこの『一国の良心』ともいうべき人たちを養成したいと思う。私たちの目的は実にここにある」という創立者、新島襄の教育理念をいう。

 続けて木村校長は、「諺にも『一年の謀は穀物を植えるにあり、十年の謀は木を植えるにあり、百年の謀は人を植えるにあり』といいますから」と、それほどの歳月の中で吟味され、継承されてきた歴史と伝統を教育に生かしていきたいという意気を語った。

 それぞれの教室棟はゆとりを持って配置され、中学校では「教科センター方式」による豊かな学習環境が整えられている。同方式では専門教科の教室が集まったスペースに、その教科に応じた資料や作品、備品が集められたメディアスペースが隣接し、より特化した深い学問的探求が展開できるようになっている。

違う文化、違う発想の仲間と
学び合う同志社教育

 同志社のゆるぎない教育理念は、キリスト教主義、自由主義、国際主義をベースとした良心教育からなっている。このベースを教育活動に生かすため、中高ともにコース制は敷いていない。「コース制は大学に入るための試験には効率的かもしれません。しかし、社会に出てからの50〜60年をも視野に入れたスパンで良識を持った市民が育つという観点から考えると、果たして効率的といえるでしょうか」と木村校長は疑問を呈する。違う文化、違う発想を持った人々とどのように一緒に生きていくかを問い続けるシンドサと楽しさは、人と人とが共に生きる共生の原点でもあることを強調する。
こうした考え方のもと、小学校や中学校からのいわゆる内部進学者と、中学や高校から入学した生徒を分けることなくクラス編成をし、高校では文・理系、普通・特進といった分化も行っていない。
ただし、高2からは6単位、高3からは15単位の必修選択・自由選択制を導入していて、生徒の自主性の中で一定の学問領域を選ぶことができるようになっている。これにより、高3では自ずと文、理に別れる部分もあるが、文系に進む生徒でも数学・理科が好きで選択するケースや、その逆も珍しいことではない。そこには「調和のとれた人物育成」を目指す、同志社ブランドが垣間見える気がする。

 また、中高一貫校の多くで導入されている先取り学習も同校では行っていない。ただし、中高で重複する学習内容については精選し、重複しても再度学習する必要があるかをも見極めている。その上で生まれた時間的余裕を、時間を必要とする理科の実験や、オーラル・コミュニケーション、多くの教科でグループ学習・発表・討論・プレゼンテーションなど、「生きた学び」に活用し、想像(創造)力や問題解決能力を培う機会となっている。

 こうして中等教育課程を終えた生徒の約85%は、推薦により同志社大学・同志社女子大学に進学し、医・歯・農・建築などのほか国公立を志望する生徒約15%は他大学受を志している。

時間、空間、仲間を
存分に味わえる環境

 ホームルームでは、異なった指向を持つ仲間たちが切磋琢磨し、刺激を受け合うとともに、遠足や合宿の行き先・日程などもクラス・クラブ単位で生徒が自主的に決めていく。自主・自立の奨励により指向性がぶつかり合い、どうまとめていくか、どう折り合いをつけていくかを考える力が養われていく。こうした活動が真のホームルームを形成し、卒業後も母校をホームととらえる想いとなって、シンドイ時にこそ支えあえる仲間の存在を意識し続けることができるという。

 最後に木村校長は「今の子どもには『さんま(三間=時間、空間、仲間)がない』と言われます。強さに群がり、命を削りあう現実社会だからこそ、『致死率100%』のちっぽけな存在として、弱さを絆として繋がり合い、命を育み合う教育環境は貴重です。この『知的創造空間IWAKURA』で、ゆったりした時間の流れ、自然豊かな広大な空間、シンドイ時にこそ支えてくれる仲間に育まれ、『豊かな人間性』『優れた学問性』『違いを認め合える共生力』とを培いながら、良識ある市民として育って行ってほしいのです」と結んだ。

 
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