サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関西校・ 関西一覧
   

同志社香里中学校・高等学校

 
  大学を見据えた総合的な力を重視
 
一昨年創立50周年を迎え、これを機にハード・ソフトの両面で教育環境の大幅な整備を次々に行った同志社香里中学校・高等学校。
さらに、多くの私立学校がコース制を採る中、「中・高・大の10年を見越した総合的な力をつけることが重要」とコース制は2005年より発展的解消を行う。現在は2005年の新たなスタートに向け、できるところからすでに改革が行われつつある。

校 長: 生井 武世
住 所: 〒572-8585 大阪府寝屋川市三井南町15−1
電 話: 072-831-0285(大代表)
交 通: 京阪「香里園」より約20分(徒歩)
学生数: 中学校 741名 / 高等学校 910名 (2004.5.1 現在)
ホームページ: http://www.kori.doshisha.ac.jp/

 

浸透したAO入試

今年度、同志社香里中学校・高等学校の入試状況はほぼ満足すべきものであった。中学は、募集205名に対し479名が受験。入学者は217名となった。(A入試)

高等学校は、AO入試が4年目を迎え、浸透したためか、同校の望むような生徒が入学したという。AO入試は、135点満点で、90点は中学の9教科の内申書、あとは特別活動(15点満点)、生徒会活動など(10点満点)、英検や数検などの検定資格をもっているかどうか(5点満点)、そして入試当日の作文(10点満点)などが加算される。

「勉強だけでなく、生徒会活動やクラブ活動などを活発に行い、総合的な力を持った生徒たちがたくさん入ってくれていると思っています。資質豊かな『生きる力』を持った子どもたちです。本校の3年間でしっかり鍛えます。きっと大学で、大きく花を咲かせてくれることと思います」と生井武世校長は期待している。

中・高・大10年のための コース制の発展的解消

同校は、ただ1校大阪府下に存在する同志社傘下の学校として、128年のキリスト教主義教育の伝統を基礎に、「男女共学」、「学校五日制」、「制服の自由化」などの実施、「国際主義教育」・「情報教育」などの充実を図るため、ここ数年来環境整備を行ってきた。

共学化は国際コースで女子40名募集という形でスタートしたが、2002年度から中学を共学化し、2005年度には約80名の女子中学生が高校へ進学してくる。2005年度高校1年生の女子の比率は約4割になる。

「実際のところは、女子で理系に関心があっても、履修単位の関係で文系にしか進学できない国際コースに在籍している生徒もいます。2005年度には大学に文化情報学部、女子大学に薬学部ができることもあり、進路の選択肢を広げ、必修科目を増やす意図で、現在のコース制を発展的に解消することにしました」と生井校長はきっぱりと言う。
現行の高等学校の国際コース・理系コース・文系コースの3コース制の利点や、国際主義教育、情報教育など、卓抜した内容は可能な限り残し、2005年度からカリキュラムは全体としてはフラットにする。高校2年生までは必修科目重視の履修、3年生では進路に合わせた選択科目の履修ができるようにカリキュラムの改訂を行い、さらに週5日制の中でしっかりとした学力をつけるための工夫した授業を展開できるように、シラバスの見直しをしている。

生井校長は続けて次のように話す。

「一般的に高校生全体の学力が低下していると言われているのは、周知の通りだと思いますが、実際国公立大学でも、1年目は、基礎学力を鍛え直し、一般教養を身につけさせなければならなくなっています。また、本校では大学への内部進学者が平均的に90%を超えていますから、コース制を採って一般受験のために教科を限って特化して教えることにあまり意味もありません。私どもがしなければならないことは、全体の学力の底上げや、幅広い基礎学力をつけてやること、そして個々の進路について余裕をもって十分に考えることができる環境をつくってやることが大切ではないかと思うのです。もちろん、進路の多様化に対応して、他大学受験希望生徒には別の対策を立て、指導を一段と強化します。

幅広い基礎学力があれば、大学で専門的に学ぶようになった時に、大きく伸びる。逆に限られた数科目だけを学習して入学した生徒は、なかなか個性や資質を発揮することが難しいという。コース制が廃止されることを聞き、驚きもあったが、保護者からは歓迎の声が聞かれ、他校からはエールが送られたという。大学を持たない高等学校では、総合的な学力が必要だと思っていても、受験科目に特化しないと合格者を多く出すことは難しい。
 そういう意味では「同志社香里ならでは」の理想的な教育が実現できると言えるだろう。

進路に対応 「土曜講座」

時代とともに少子化は進み、社会状況の変化の中で生徒の価値観も多様化している。今後、国公立大学や医歯薬系、海外の大学など他大学への進学を希望する生徒が増えてくる可能性は高い。また内部進学希望の生徒にしても、大学進学に関してモチベーションを高めてやることが必要である。そのために進路指導のあり方を検討し直し、週五日制の枠内で実施可能な新たなシステムづくりを試みているが、そのほかに土曜日の有効活用として「土曜講座」の設置を予定している。

今年度5月から、希望生徒を対象に「土曜講座」を設置し、多様なニーズにこたえるための講座がスタートする。予備校など外部講師による「他大学受験講座」や、すでに一部実施している同志社大学・女子大学へ行って学ぶ「高大連携の講座」の拡大と充実、学力アップを図るための「ステップアップ講座」、英検など取得のための「資格講座」、書道・華道など多彩な内容の「文化・教養講座」などである。正式な設置は2005年度からだが、試行的に今年度から実施する。

中高6年間の中で、じっくりと自分にあった学問・職業、自分が本当にやりたいものを「総合的な学習」の時間などを通して生きる力と目標をもって勉学へのモチベーションにさせたい。

また今年は、職業教育の一環として「私のしごと館」(京都府精華町)へ希望者を連れて行った。ここは、早い時期から職業に親しみ、適切な職業選択や生活設計できるよう、様々な職業体験や情報提供を行っている施設である。

「将来の職業に対して、意欲をもって考える機会が必要だと考えて、試みの一つとして実施しました。今後、組織的に継続して実施して行けたらと考えています」と生井校長。
このような進路・職業に関する教育や土曜講座などに関するものは、「進路委員会」が中心となって企画・運営を行う。「進路委員会」も改革に伴い新たに設けられた。

時代のニーズと同校のあるべき姿を模索し、次々に教育環境、条件の整備を行っている同校。「今後も2005年に向けて、できるものはどんどんやっていきますよ」と生井校長は新しい学校づくりにますます意欲的だ。

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.