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中学・高校受験:学びネット

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桃山学院高等学校・中学校

 
  改革一期生、国公立へ93名 文理(旧標準コース)を共学化
ドラスティックな改革宣言から3年が経った桃山学院高等学校。その改革1期生が卒業を迎えた今春、国公立大学合格者数が昨年比1.9倍に跳ね上がった。一昨年比では実に4倍以上で、改革が確実に成果を上げていることを裏づけた。温井史朗校長は「まだ十分だとは思っていない」としながらも、次段階の改革に着手。これまでの「標準」コースを「文理」コースと改め共学化する。開校から3年目を迎えた中学校の募集も順調で、建学理念に基づいた教育活動を着実に実践中だ。

校 長: 温井 史朗
住 所: 〒545-0011 大阪市阿倍野区昭和町3-1-64
電 話: 06-6621-1181
交 通: 地下鉄御堂筋線「昭和町」駅3号出口から南へ徒歩5分/地下鉄谷町線「文の里」駅4号出口から南へ徒歩8分/JR阪和線「南田辺」駅から北西へ徒歩8分
学生数: 中学校  353名
高等学校 1,542名 (2010.7.1現在)
ホームページ: http://www.momoyamagakuin-h.ed.jp

 

改革成果受け「標準」から
「文理」へ、そして共学化

 創立以来126年、キリスト教の「自由と愛の精神」を建学理念に、世界に通用する市民の育成を目標に歩み続ける桃山学院高等学校・中学校。その歴史は改革と挑戦の累日といっていいだろう。特に2001年以降、コースの新設、一部コースの共学化、中学校開校、校舎や体育館の建て替えなど変革ペースを上げている。

 3年前にはコンパスローズM1プロジェクト(桃山をナンバーワンにするための羅針盤の意)の発表と同時に、超難関国公立大学を目指す「S英数」コースやスポーツ成績優秀者をさらに高度に育成する「アスリートクラス」を設置した。併せて、既存コースも含め全校的な学力向上を図るため、課外強化講習や弱点補強ゼミ、夏期講習を充実させてきた。

 そして、プロジェクト開始から3年を経て改革1期生ともいうべき生徒が今春、学院を巣立っていった。改革の成果は大学の合格実績だけで判断するものでは無論ないが、その目安となることは確かである。そこで、ここ数年の国公立大学合格者数(現役)をみると、07年29名、08年22名、09年48名、そして、2010年93名と増やしている。昨年から改革の成果が表れ始めていたことが分かる。

 93名には超難関の東大1、京大1、阪大7、神大5名が含まれているが、温井校長は「まだ、十分だと思っていない。今年からは東大や京大に特化した講習を行いたい」と強い意欲を見せている。超難関大の志望者の中には0.6点という僅差で涙をのんだ生徒もいたという。その悔しさを生徒本人だけのものとせず、教員が共有し次年度に向かえるよう、現在、カリキュラムの見直しが進められている。

 なお、防衛大学校、水産大学校など各省庁所管の国立大学校への現役合格者数は16名で、これら合格者は93名には含まれていない。また、関関同立の合格者数(既卒者含む)は合計で446名。内訳は関西173、関学115、同志社71、立命館87で、地元関西の難関私大には圧倒的な強さを見せている。

 これらの一定の成果を受け、同校ではこれまで男子単学だった「標準」コースを来春から共学化(ただしアスリートクラスを除く)することを決めた。同時に、「標準」コースから今春、国公立合格者を出したのを機に、今後、より積極的に国公立を目指すコースとして、来春から「文理」とコース名を改める。

 2001年に「国際」コースの設置で一部共学化に踏み切った同校だが、その10年後に新たなニーズを受け、全コースが共学化することになる。

人格形成と学力に有効
中学段階の体験型学習

 開校から3年目を迎えた桃山学院中学校では、今春の入試でも全日程で453名の志願者を集め、うち347名が受験した。これまで「6年選抜」(定員40名)と「6年進学」(同80名)で、日程と受験科目が異なるA〜C方式の入試スタイルを採用してきた。ただ、「次年度入試で日程を変更するか検討中」と中学校の佐々木睦浩教頭。志望者を擁する塾では今後、ホームページなどで確認が必要だろう。

 さて、これまで体験型学習を重視してきた中学校だが、このことが1期生の成績伸長にプラスに働いていると温井校長はいう。入学後間もなく行われるオリエンテーション合宿(4月)をはじめ、一日遠足(5月)、生物の授業の一環で実施される「磯実習」(6月)、サマーキャンプ(8月)と、クラスメートと寝食をともにする活動機会は多い。人との関わりの中で自分を見つめ、自分に気づいていくというプロセスが10代前半の発達段階には極めて重要だ。中学入試に学力だけでなく人格形成のフォローアップを求める保護者傾向に合致した教育方針といえる。

 もっとも教科学習面でのサポート体制も充実させている。これまで習熟度が十分でない生徒に対してはRゼミという補講が行われてきた。が、昨年からは「さらに徹底した指導で完全に分かるまで20時頃まで補講をやっている」と佐々木教頭。また、パソコンを利用した自動学習システム「すらら」は、1期生を中心にすでに定着しているが、この教材を自宅でも使えるようにし、自主的に学習を進めたい生徒への学習機会を増やしている。

プログレッシブに
私学の魅力を打ち出す

 公立高校の授業料無償化について私学はどのように対応するのか。その点を温井校長に聞くと「私学の強みを生かしていけば、それほど不安はない」との答えが返ってきた。強みとは理想教育であり、蓄積してきたノウハウであり、優秀な教員の採用と採用後の育成力であるという。

 これまでも1人の新人教員には2人のベテラン教員がついて研修を実施してきたが、今後はこれまで以上に研修制度を充実させていくという。「つい最近も英語科の教員5名が、超難関大に多くの合格者を出す高校に自発的に出向いて研修を受けてきた」と話し、こうした機運を歓迎している。最後に一言、温井校長は「プログレッシブにいきますよ」と私学の存在感、魅力をより打ち出していく考えを示した。

 
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