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中学・高校受験:学びネット

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近江高等学校

 
  創立70周年を経てさらに進化、充実の4コース
近江高等学校は昨年11月に創立70周年を迎えた。「誠実勤勉にして実社会に役立つ人間の育成」という建学の精神を受け継ぎ、時代と地域の要請に応えて進化を遂げてきた。15年前に特別進学コース『アカデミー』を開設。多くの卒業生を国公立や難関私大に送り出し、湖北・湖東地域における進学校の仲間入りを果たした。今年初めて、アカデミー卒業生が教師として着任。新しい伝統を築き上げようとしている。

校 長: 笠原 武夫
住 所: 〒522-0002 彦根市松原町大黒前3511−1
電 話: 0749-22-2323
交 通: JR東海道本線・近江鉄道本線「彦根」駅より徒歩18分、またはスクールバスで5分
学生数: 771名 (2009.9.1現在)
ホームページ: http://www.ohmi-h.ed.jp/

 

教師陣もパワーアップ

 近江高等学校では進路目標と学力に応じて、普通科は「アカデミー」「アドバンス」「総合」の3コース、商業科は「キャリア」コースを設置している。

 「アカデミー」は、1クラス30人以下の少人数制。豊富な学習時間や効率のよいカリキュラムなど徹底した学習指導により、国公立や難関私大の現役合格へと導く。開設当初は、公立志向の強い土地柄とあって、わずか5名でのスタートだった。しかし、進学実績の向上とともに志願者は増え続け、現在は1学年2クラス編成。生徒に兄弟姉妹が多いのもアカデミーの評価の高さを示している。

 さらに今年度は教師陣もパワーアップ。進学指導を強化すべく英語と数学の教師4名が採用された。そのなかの1人、岡康平先生は同校OB。4年前にアカデミーを卒業して大阪教育大学に進学。今年、数学の先生となって戻ってきた。

 アカデミー室長の奥谷信之先生は、「卒業生が帰って来るような学校であってこそ、伝統が培われていきます」と教え子を大歓迎。在校当時の「ハードな勉強メニューをまじめに頑張っていた人柄」を高く評価し「ぜひ母校へ」と大学4年生の時に声を掛けた。大学4年間、学習塾の講師として小学生から高校生まで幅広く教えていたという経験も頼もしい。放課後の教科指導でも、頼れる先輩として生徒の人気を集めている。

少人数制のメリットを最大限に生かすアカデミーコース

 岡先生の在校当時の思い出は「ひたすら勉強したこと」。教師になるという夢をかなえるために近江のアカデミーを選んだ。しかし、最初は授業時間の多さにとまどったという。通常の6限授業に加えて、7・8限目に演習授業が行われる。さらに当時は、「2年生の9月から9・10限目が追加され、朝は0限目も。朝礼前に英語の授業がありました」。そんなハードな毎日を乗り越えられたのは「周りの友だちも頑張ってるし、先生方も遅くまで残ってくれている。しんどいのは自分だけじゃないと思っていました」。そして、「アカデミーの良いところはクラスの連帯感。先生もいっしょになって、青海祭や体育祭への取り組みや達成感はスゴイ」と笑顔で話す。

 アカデミーの3年間の総授業時間数は公立高校の4年分に相当する。奥谷先生は「いまの子どもたちの多くは、腰を据えて勉強した経験がありません。それでは難関大学に通用しない。3年間で学習の習慣をつけ、学力と気力を大きく伸ばさなければならないので、教師も生徒も奮戦努力の毎日です」。

 一昨年より、9・10限目の授業に代わりクローバー+(プラス)システムが導入された。これは放課後の過ごし方を生徒が選択するというもの。難関大学合格に向け演習問題に取り組んだり、クラブ活動に参加したり、学力補強のため補習を受講する生徒もいる。

 例えば、推薦入試のディベート対策として、生徒一人に対し本番さながらに先生数名と意見を数日間戦わせる。入試当日、様々な意見に対応できるようにするためだ。また英検が近づくと、面接練習が完全な個人指導で行われている。

 クローバー+システム導入は、近年の入試システムの多様化に対応するため。生徒側からさまざまな対策講座を開いて欲しいというリクエストも多い。これに応えられるのも少人数制だからこそだ。
また、少人数制のメリットはメンタルサポートの面でも生かされている。スタッフルームを教室近くに配置し、先生方全員で生徒を見守り、一人ひとり人の状態を把握し合い、きめ細かくサポートしている。

 4年前は生徒の立場だった岡先生は、「当時はきつかったけれど、教える側に立つと、生徒にまだまだ余力があるのがわかります」。自身が経験してきただけに、その言葉には説得力がある。奥谷先生は「先生と生徒の両方の思いがわかる先輩として、生徒たちにアドバイスしてもらいたい」と期待を語る。

多様な進路希望をサポート

 また、「アドバンス」と「総合」は、勉学とクラブ活動を両立させながら進路目標を実現するコース。
「アドバンス」は、2年進級時に医療系特進・理系進学・文系進学に分かれる準特進コースだ。医療系特進は2005年度開設。看護師や理学療法士、管理栄養士等をめざす。体験実習やガイダンス等でも意識を高める。今年は大阪体育大学や滋賀県立看護専門学校など難関校に多くの生徒が進学した。
「総合」は今年、従来の「ジェネラル」から改編された新コース。2年進級時にスポーツ系と教養系に分かれる。スポーツ系は、体育理論やスポーツ栄養学の基礎を学び、体育系大学・専門学校への進学、または就職をめざす。教養系はボランティアなどの社会参加実技や音感教育などを取り入れ、コミュニケーション能力を育成する。今年の1年生には幼稚園の先生をめざす女子が多い。

 商業科も今年度より「キャリア」コースに改編。高校卒業後の進路を考えたカリキュラムで専門的な学習に取り組み、「社会で生きる力」や「職業観」を身に付ける。2年進級時に観光ビジネス系と情報デザイン系に分かれる。観光ビジネス系では観光関連科目だけでなく実習も取り入れ、幅広いサービス産業の「おもてなし」の精神を養う。地元・彦根市の観光協会との連携も模索中だ。情報デザイン系では商業科伝統校として情報処理やCG等の技術がしっかり学べる。今年度より各コースの進路目標を明確に設定したことにより、新入生は目的意識が高いという。特にキャリアコースでは、簿記や情報処理の検定取得など実務的面に魅力を感じている生徒が多い。

 一方、大学受験対策としてはアカデミー以外の3年生を対象に、センター試験対策の「中堅国公立合格対応講座『特講』」を開設している。これはクラブ引退後の秋からでも目標大学をめざしてラストスパートをかけられる講座。年間5タームで開講する。昨年の硬式野球部キャプテンは、夏の甲子園大会を終えてから参加し、見事関西大学に合格を果たした。

 目標も学力も異なる幅広い層の生徒が学ぶ同校では、一人ひとりの進路希望を実現するために教育システムやサポート体制を充実させてきた。奥谷先生は「卒業する時に一人でも多くの生徒から、近江で良かったと言ってもらえるように、教える側も日々進化していきたい」と語った。

 
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