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中学・高校受験:学びネット

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東大谷高等学校

 
  新校長を迎え飛躍的進化をめざす伝統校
東大谷高等学校は今年創立100周年を迎える。仏教精神にもとづく情操教育という基本理念はそのままに、時代の流れに対応して、コース制を整備するなど変化を遂げてきた。昨年度は、新校長に児玉道仁校長が就任。新たに関大・関学シフトクラスを設置するなど数々の取り組みをスタートさせ、伝統ある女子校に新風を吹き込んでいる。

校 長: 児玉 道仁
住 所: 〒545-0041 大阪市阿倍野区共立通 2-8-4
電 話: 06-6661-0384
交 通: 地下鉄谷町線「阿倍野」下車徒歩8分、地下鉄堺筋線・南海各線「天下茶屋」下車徒歩13分、阪堺電軌阪堺線「北天下茶屋」下車徒歩8分、阪堺電軌上町線「松虫」下車徒歩7分
学生数: 671名 (2009.9.1現在)
ホームページ: http://www.higashiohtani.ac.jp/rs/

 

 東大谷高等学校は、1909年に設立された大谷裁縫女学校を前身とする。設立以来、100年にわたって仏教精神による女子教育を推進し、知・徳・体の調和のとれた女性の育成をめざしてきた。いまも躾と情操教育に定評のある女子校として知られている。長年受け継がれてきた制服のセーラー服も、歴史と伝統のなかで培われた凜とした雰囲気を感じさせる。

進路保証を具体化

 新校長の児玉道仁校長は、2003年から2007年にかけて大阪府立岸和田高等学校の校長を務め、学校改革により見事に「岸高の活性化」を成し遂げた。その強力なリーダーシップへの期待は高い。東大谷高校の校長就任に際し、「東大谷の良き伝統をしっかり引き継ぎ、単なる変化ではなく飛躍的『進化』を目指す」と強い決意を示している。そして当面のビジョンとして「東大谷高校の進化目標5項目」を掲げた。

 そのひとつが、「関大・関学シフトクラス」設置である。これは特進コースのなかに、関大・関学を始めとする難関私大を目指すクラスとして新たに設けられる。

 同校のコースは生徒の進路希望に応じて、「総合」「英語進学」「特進」の3コースが設置されている。いずれも大学進学を目標としているが、総合コースは、勉強とクラブ活動を両立させながら大阪大谷大学への学内進学を始め、指定校推薦などを利用して希望大学に進学する。英語進学コースは、英語力と国際感覚を身につけて大学進学をめざす。特進コースは、国公立大や難関私大進学を目標としている。2007年度には特進コースのなかに「国公立クラス」を開設。そして今年、「関大・関学シフトクラス」の設置が決定した。現在3クラスの特進コースの生徒たちは、2年進級時に「国公立クラス」1クラスと、「関大・関学シフトクラス」2クラスに分かれる。

 雪矢敏明入試対策部長は、「進路希望に応じてのクラス分けは、最低限そのレベルまで力をつけることを目的としています。本校が初めて進路保証を具体的に打ち出したものです」と話す。

関西大学と双方向の高大連携を推進

 今年6月11日、東大谷高校は関西大学とのパイロット校提携を結んだ。これは、同校が仏教系の女子校として堅実な女子教育を実践していることが認められたことによる。実際に、「関大へ進学した生徒はさほど多くはありませんが、総じて素直でまじめ。大学入学後も勉学にいそしむ姿が、大学の求める人間像として評価されたのでは」と雪矢部長。

 今回のパイロット校提携により、特別推薦枠が増えるだけでなく、双方向の高大連携をこれまで以上に推進していく。

 7月2日には同校に於いて「第1回Kan-Daiセミナー」として、関西大学文学部教授による「ロジカルシンキング入門」講座が開かれた。また関西大学インターンシップ制度を活用して、英語進学コース2年生の「サマーセミナー」に、関大文学部の学生が英語指導サポーターとして参加する。さらに9月からは週2回、外国語学部の学生が英語の放課後指導に参加する予定だ。

授業力アップへの取り組み

「東大谷高校の進化目標」の2つ目は、「『教育力』向上のための教師の『授業力』アップ」。雪矢部長は「学校を活性化させるためには、先生方一人ひとりが危機感を持って動いていかなければなりません。授業も、『従来はこれでよかった』という考えは一切捨ててスキルアップをめざしています」と話す。

 そのために今年度より先生方が教科の枠を越えて互いの授業を見学。指導技術の研鑽に励んでいる。児玉校長も授業を見学し、直接アドバイスを与えることもあるという。また先生方は学内だけでなく、外部の研修会にも自主的に参加し始めている。
「校長が変われば学校が変わると言われています。本校の場合は、教員の資質向上がひとつのポイントとしてあげられるでしょう」。

 しかし、こうした変化が外からも目に見える成果となるまでには時間がかかる。そこで「こちらから発信して理解を得よう」と、広報活動に力を入れ始めた。今年からホームページ上で先生方による「職員室日記」と、生徒たちが学校生活の様子を伝える「東大谷すずらん日記」を公開している。

 また今年度より「親学支援セミナー」を開始した。これは「報恩感謝」を建学の精神とする同校が、地域社会のお役に立ちたいと、親子関係のよりよい構築を願って開催するもの。第1回は6月6日、岸和田市の波切ホールで開かれた。大阪大谷大学の小田浩信准教授や児玉校長などが「親と子の問題」をテーマに講演したほか、同校バトン部とコーラス部も演技や合唱を披露。会場は地域の人たちや同校の保護者ら約270人で超満員の盛況ぶりを見せた。第2回は8月22日に河内長野市で開かれる。

 一方生徒たちも、今年から毎月の「地域感謝デー」に、地域の人々に感謝の気持ちを表すために、清掃活動に取り組んでいる。最初は乗り気でなかった生徒も、通りがかった人たちから「ご苦労様」と声をかけられ、「嬉しくてやりがいを感じた」という。

伸び伸びと女子校で

 生徒のメンタルサポートも「進化目標」のひとつだ。心疲れた生徒のための「ほっとすルーム」を学内に設置し、教員を配置している。登校はできるが、教室や保健室に行けない生徒も、安心して過ごせる。場合によっては学習サポートも可能だ。
「進化目標5項目」の残り2つは、「授業料据え置き」と「『品格』を重んじた礼儀・モラル重視の教育のさらなる推進」である。同校の礼儀・モラル教育には100年の歴史がある。雪矢部長は「時代が変わっても、変わらない女性の真の美しさを強調しながら、躾教育を受け継いでいきます。ただし女性の社会的立場は昔とは違う。自立した女性として巣立って欲しい」と話す。

 児玉校長は、東大谷高校の生徒の第一印象を「素直で伸び伸びとしている」とコメントしている。しかも、その生徒たちは口をそろえて「女子校に入学してよかった」と話したという。

 新校長のもと、伝統ある女子校が新たな躍動を始め、その存在感を際立たせてゆくに違いない。

 
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