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中学・高校受験:学びネット

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大阪信愛女学院中学校・高等学校

 
  建学理念の具現化で新4コースに期待 国際貢献視野に始動、英語科の挑戦
近年、数々の改革に取り組んできた大阪信愛女学院中学校・高等学校は、125周年を機に改めて原点に立ち返り独自性を打ち出した教育に挑んでいる。今年度、新設された「生命科学」「看護医療」「食物科学」「発達教育」の4コースは命を育み守るミッションスクールの理念を具現化しつつ、“進学後の道標”を示したことが保護者から共感を得ている。今後は文系分野での人材育成にも力を入れていく方針で、英語科ではすでに新たな取り組みが始まっている。
校 長: 縄田 、子
住 所: 〒536-8585 大阪市城東区古市2丁目7番30号
電 話: 06-6939-4391
交 通: 地下鉄今里筋線「新森古市」駅より南へ5分/京阪「関目」駅より東へ15分/地下鉄長堀鶴見緑地線「今福鶴見」駅より北へ15分/地下鉄谷町線「関目高殿」駅より18分
学生数: 中学校 322名
高等学校 551名 (2009.9.1現在)
ホームページ: http://www.osaka-shinai.ac.jp

 

大学との提携が支える
専門コースの体験学習

 キリストの教えに基づく女子の全人教育を大阪の地で始め、今年で125年の歴史を刻む大阪信愛女学院中学校・高等学校。125周年記念行事は質朴ながら、真に教育的価値の高い講演や学院の在校生全体で祝うミサを執り行うなど信愛らしさを見せている。

 教育活動でもこれを機に建学理念を社会的ニーズに沿って具現化させた「命をつなげる」4つのコースを高校に新設した。

 薬学進学を中心に多方面な理系進学に必要なカリキュラムが特徴的な「生命科学コース」。

 専門的体験を通して看護、医療系大学、短大等への進学を目指す「看護医療コース」。

 栄養、環境などの観点から実験、実習を盛り込みながら管理栄養士などの専門職に進路をつなぐ「食物科学コース」。

 保育、幼児教育、初等教育を担おうとする生徒に幅広い実習の場を設けている「発達教育コース」。

 いずれのコースも提携する大学との緊密な連携のもと、目的に応じた体験授業を受けることができるほか、大学の教員が来校し講義を行うなど、学びに深さと広がりを持たせている。提携大学は2009年7月時点で同志社女子、帝塚山学院、関西外国語、大阪電気通信、大阪樟蔭女子の5大学。高大連携は優れた人材の育成という目的で協力し合うものだが、必ずしも提携大学に進学することを前提とはしていない。

 専門分野別4コースの設置について、松尾誠副校長は「卒業、進学し、さらにその後、自分に適った職業に就き、自分らしく生きて行けてこそ(中等教育の)役割を果たせたといえる」と話し、生徒の人生で信愛の教育が真に開花するまでを見据えた改革である点を強調した。

 また、これら提携大学とは別に、高校では1年次より関西の様々な大学の体験ツアーに参加し、将来の職業、進路に対する適性や関心の方向性を見極める取り組みも行われている。昨年は阪大、大阪府大、同志社女子、関大、関西外大、立命館、近大など多くの大学でツアーが実施され、進路を見つめるきっかけづくりの場として好評であった。

 以上の新設4コースのほか、高2からは国公立大学への進学を目指す「国公立特進」、難関私大への進学を目指す「難関私立特進」および基礎学力を確実に養成し幅広い進路に対応する「総合進学」の3コースが準備されている。

音読中心の英語で
学習意欲高まる

 国際社会に貢献する生徒の育成を教育目標の一つに数える学院では、小学校からの英語教育に取り組んできた。また、高校でも今後、文系分野への進学を希望する生徒にさらなるカリキュラムの充実を図っていく考え。そこで、本格的に英語教育が始まる中1段階で、4月から新たな取り組みが始まった。

 従来の一斉に黒板を写し、訳して、文法を学ぶというスタイルから音声中心の授業への転換が行われたのだ。昨年、英語科の教員は授業力向上に向けて、多くの研修会に積極的に参加し、そのなかで「音声中心の授業」の重要性に気付いたのがきっかけであった。研修会の報告書を見た松尾副校長は、その有用性に期待を寄せ、実用化に向けた学習法の検討を指示、英語科主任の原真巳教諭ら英語科担当の教諭によるプロジェクトチームを中心に、英語科の新しい取り組みがスタートした。

 例えば中1の授業では、準備された絵図を見て単語を発音するというエクササイズのほかに、50余りの単語が書かれたプリントを見ながら30秒間でどれだけの数の単語を正確に読めるかという実技テストも行われる。時間を区切ることで集中し、短時間に効果的な学習が進められるというわけだ。
また単語や英文の意味を理解したうえで音読やシャドーイングといった練習をとりいれる等、語学を習得するうえで効果的な方法を実践しており、今後、さらに注目されそうだ。

 ただし、テンポある展開で生徒を引きつけ、英語に関心を抱かせる授業を継続させるためには、授業時間の何倍もの準備が必要になる。チームは模擬授業を行い、アイデアを出し合い、事前に必要な教材の準備や導入、展開のきめ細かな想定が欠かせない。教諭の負担は少なくないが「生徒のヤル気が励みになる」と原教諭。

 無論、ライティングや文法も重要であることに変わりなく、適宜授業に盛り込まれているが、音読が中心となったことで生徒の学習意欲は高まっているという。

 また、中学校から入学する生徒には、小学校で英語に親しんだ内部生に気後れすることなく学習のスタートが切れるよう、入学前に2日間の英語プログラムが用意されている。ネイティブの教員と触れ合うことで、英語に対する親しみを持ってもらうことがねらい。

 英語科を中心とした改革の芽は新しいクラブ活動も生んだ。これまで中学校にはなかった「英語クラブ」が誕生したのだ。英語好きの生徒を増やしたい、そう願うひとりの教諭が顧問を申し出たという。創立125年の節目を迎え、大阪信愛女学院が静かに、そして着実な歩みを進めていることを感じ取って学院を後にした。

 
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