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中学・高校受験:学びネット

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愛徳学園中学校・高等学校

 
  授業評価でさらに上の授業を実践 ミッションスクールの変化に期待
女子の全人教育を柱に50余年の歴史を刻む愛徳学園中学校・高等学校は、今年度から年2回の授業評価制を実施する。昨年度の導入で生徒・保護者の満足度が上昇したのを受け、さらに改善を進める目的。ミッションスクールとして命の教育、心の教育に重心をおきつつ、全教員一致してより良い授業へ改善意欲が伝わってくる学校だ。小規模校ならではのスピーディーな改善は、学園全体に活気を呼び込んでいる。

校 長: 能美 啓子
住 所: 〒655-0037 神戸氏垂水区歌敷山3-6-49
電 話: 078-708-5353
交 通: JR「舞子」駅からバス51系統「県商前ゆき」または「県商前経由・学園都市ゆき」で「学園正門前」下車。/山陽電鉄「霞が丘」駅から北へ約800メートル/JR「垂水」駅からバス1系統「霞ヶ丘線・歌敷山中学校経由」で「愛徳学園前」下車。
学生数: 中学校 186名
高等学校 129名 (2009.5.1現在)
ホームページ: http://www.aitokugakuen.ed.jp/

 

スピーディーな改善が満足度を高める

 すでに一昨年より学校評価制を導入し、生徒、保護者、卒業生から教育活動への要望を聞き取ってきた同校は、昨年度、各授業の進め方について生徒がどのように受け止めているかを無記名のアンケート形式で調査した。対象は授業をもつ全教員で、設問に対し当てはまる項目を選択回答する方法と記述式回答が採用された。

 ▽生徒一人ひとりの進度を把握し授業を進めているか▽その日の授業の狙い、要点がはっきり示されているか▽宿題やノートの点検を適切に行い個別指導に対応しているかなど、「さらに分かる授業」「楽しい授業」へ改善を図るための設問がずらりと並ぶ。

 調査は10月に実施、翌1月には各教員に調査結果の個票が能美啓子校長から手渡された。その後、時をおかずに授業改善のための研修がもたれ、教員は各自、改善計画を立案。次回の評価で改善目標を達成できるよう研鑽に努めている。2009年度はさらに評価回数を2回に増やし授業改善に取り組んでいく考えだ。

 「授業評価は決して生徒におもねるのではなく、生徒や保護者の声に耳を傾けることで、1人でも多くの生徒が学園で学び、『すべては愛によって』という創立者の建学理念を体得していただくため」と、授業評価を含む学校評価制導入の目的を語る能美校長。ここ数年のうちに評価制だけでなく、一歩進んだ受験対策にも着手、国公立大学、難関私立大学への進学者を着実に送り出している。次々と思いきった学校改善をスピーディーに進められるのは、小規模校の強みであり、家庭的雰囲気を大切に守ってきた同校の良さが反映されているようだ。

 教員が立てた授業改善計画を手にすると、改めて教職にある者に求められる厳しさが伝わってくる。例えば、自主性を重んじる教員は自由な発言の場を授業に設けてきたが、それが一部の生徒には好評であっても、別の生徒には「集中できない」「規律が保たれにくい」といった評価に至ることもある。各人各様の受け止め方がある中で、教員のより良い授業への模索は終わることがない。

 しかし一連の学校評価の中で、生徒、保護者の学校に対する満足度は確実に上昇してきている。中学部では生徒の満足度が昨年50%だったが、今年は71%に、保護者も78%から84%に上昇した。同様に高校部の生徒が50%から59%に、保護者は77%から90%に上昇。

 ポイント上昇は昨年度の卒業生の大学合格実績に反映された。53人の卒業生のうち、国公立大学へ5人、関関同立へ7人、その他、青山学院、上智といった難関大へも合格者を輩出し、今後さらに期待が寄せられる。

充実した進路指導へ さらに新たな研修も

 カトリックのミッションスクールとして、女子に特化した全人教育は時代を反映してか、その重要性が見直されつつある。命を育むことはもちろん、国内のみならず国際社会で重要な役割を果たすことが期待される女性に、しなやかさと強さを育む愛徳教育は今後ますます必要とされるだろう。

 その一方で、進路指導の充実が求められるのは言うまでもない。中高一貫校としての利点を生かし、継続したキャリア教育によって将来の目標に向けた支援体制が求められている。

 そこで、同校では毎年、各界で活躍する卒業生による講演を実施してきた。今年も教師、眼科医、パティシエ、銀行員といった職に就いている卒業生がそれぞれの仕事観について語り、後輩の進路意識を啓発した。「同じことを教師よりも卒業生が話すことで生徒に伝わりやすく、質問もしやすいので講演の後はわきあいあいと交流していました」と能美校長。家庭的雰囲気の中で共に学んだ者同士の連携は強く、機会あるごとに母校を訪れる卒業生が多いのも同校の特徴だ。

 さて、こうした交流ではもちろん、日常の教員、生徒間の意思疎通で欠かせないのがコミュニケーション能力だ。昨今は一般的に、自分の思いを伝えることが不得意な子どもが増え、表情も乏しいといわれる。進学指導を行う上で、教員が生徒の考えを的確に把握することは指導の第一歩。

 そこで、同校では昨年より全教員を対象にコミュニケーションスキルを上げるための研修も実施している。意思疎通の促進により目標達成と問題解決を促進しようとするスキルは、もともとビジネスの現場で重要視されてきたが、生徒のモチベーションアップや保護者との連携強化にも活用可能と研修を実施したもの。

 日々の授業研究に加え、授業評価に対する目標設定を行い、必要と思う研修を次々に受け、その成果を教育活動に反映させていく。愛徳学園の教員は今、生徒に喜びを味わってほしいという目標に向かって、一つの大きなベクトルを形成しているように見える。

 「変えられないものを受け容れる心の静けさと、変えられるものを変える勇気と、その両者を見分ける英知を我に与えたまえ」というラインホールド・ニーバーの言葉どおり、愛徳学園は不易流行を見極めながら一日一日の教育活動に全力で取り組んでいる。

 

 
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