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中学・高校受験:学びネット

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開智中学校・高等学校

 
  中学校スーパー理進に専願者100人 高校T類でも高い競争倍率
毎年、国公立大への合格者130〜140人を出している開智中学校・高等学校は、08年春、中学校でのコース制導入に踏み切った。導入後初の入試では、旧帝大系大学や医歯薬系大学への進学を目指す「スーパー理進」コースの専願者募集枠20人に対し100人が受験。同コース併願者募集枠10人には251人が受験するなど、和歌山県内はじめ、大阪府内からも開智に対する期待感が高まっている。

校 長: 西下 博通
住 所: 〒640-8481 和歌山市直川113-2
電 話: 073-461-8080
交 通: JR阪和線「六十谷」駅から5分
学生数: 中学校 499名
高等学校 943名 (2008.09.1現在)
ホームページ: http://www.kaichi.ed.jp/

 

中学校に2コース制

 2008年入試で国公立大学に135人(うち現役生122人)の合格者を出した開智高等学校。4年連続で国公立大合格者数が130〜140人を数えるようになり、今後は一層生徒の希望に応え、旧帝大系や医歯薬系大学への合格者を増やしていく的を絞った進学指導が期待される。そうした機運を受けて、今春、中学校に2コース制を導入した。

 そのうちの一つ、「スーパー理進」は1クラス約30人で高レベル授業を実施。高等学校進学時は、いわゆる外部生とは別クラス編成で、7時間授業や特別演習授業、志望校別特別対策講座といったメニューが準備されている。

 もう一つのコース「特進」は、高校2年進学時に文系と理系に分かれ、それぞれ特化した授業を受け、十分な補習体制のもと国公立大への進学を目指す。

 いずれのコースも教科学習には十分な支援体制が取られるが、一方で、体験学習を多く取り入れ、様々な体験や日々の生活の中から問題解決能力を身につけられるカリキュラムも組まれている。

 特に、体験学習や文化祭、体育祭は、すべて中学校独自の行事として行われるが、これについて土井和正法人本部長は、「高等学校との合同行事では、経験豊かな高校生が指導権をとり、中学生の力が発揮しきれない場面もある。中学生にはその発達段階に応じたふさわしい役割を担えるよう配慮している」と中高別々に行事を実施する意義を説明する。

 今春の入試では、スーパー理進コースで前期約20人(専願者)と後期約10人(併願者)の募集に対し、前期には100人が、後期には251人が受験した。合格者は前期で20人、後期で89人を数えたが最終的に32人が同コースに入学した。

 とはいえ、2コースへの在籍は固定的なものではなく、進路希望の変化や成績によって高2進級時までコース変更を行うものとする。ただ、「コースを設置したことで、保護者に早い段階で進路を意識してもらえるようになったようだ」と土井本部長。

真に「強い心」の育成を

 最近、同校の新聞広告が変わった。かつては進学実績を全面に、数字によるインパクトの強い広告を掲載していたが、今年になって「人」に焦点を当て、卒業生を紹介する広告に様変わりした。「数字」から「人」への転換は、同校の進学実績が安定し、進学校のイメージが定着したことと相まって「社会に出てから力強く生き抜く力を育む学校」を訴求していこうとするもの。

 土井本部長は「最近の若者が引き起こす社会を震撼させる事件を見るにつけ、挫折感が若者に及ぼす悲惨さを痛感する。人生に挫折はつきもので、それを味わったとしても乗り越えられる力、すなわち生きる力を育む学校であることを訴えていきたい」と、学力一辺倒ではなく、理念による教育実践を強く打ち出したい考えだ。生きる力の育成を求める声は保護者の間にも広がっており、同校は人格形成面におけるきめ細やかな教育実践を強化していく。広告はこうしたニーズに呼応したもの。

 広告に登場したうちの一人、古賀敏幹さんは開智高等学校卒業後、東京工業大学に進学、人の生活に影響を与えられるモノづくりの道に進みたいと、今春、ソニーに入社した。「諦めない『強い心』を誇りに」というコピーで紹介されている。

 また、10年前に卒業した福田誉さんは、当時、バレーボール部に籍を置きながら、文武両道の高校生活を振り返り、「克己心」を学んだと紹介されている。早稲田大学に進学後、東京ガスエコモに入社し、現在、同社バレーボール部で主将を務めている。受験生が憧れ、保護者が理想とするような先輩の登場は、開智の人間教育を周知させるうえで説得力がある。

 実際、学校生活ではクラブや同好会を増やし、入部率を高め、対人関係の中で互いに切磋琢磨できるよう環境整備を行っている。また、先述の中高独立型の学校行事や総合学習を通して考えをまとめ発表することで、論理的思考、それを周囲に伝達する力の養成が実践されている。

東大圏内に自信

 高等学校入試でもT類(国公立進学コース)専願募集枠80人に対し、今春は173人の受験者を数え、競争倍率は昨年の1.5倍から2.2倍へと跳ね上がった。T類受験者にはU類(難関私大進学コース)への回し合格制度を利用する生徒も少なくなく、T類専願枠の倍率上昇が、U類合格者の平均点を押し上げる結果となった。なお、T類に籍を置く生徒は、高2進級時にさらに「ST類」と「T類」に分化され、より目的別に沿ったカリキュラムが組まれる。

 コースやクラスが細分化されるにつれ、教員の専門性のレベルアップ、資質の向上は必然的に求められるが、同校では約100人の教員が週1回の頻度で研修授業を行い、個々の生徒に応じた補習体制も充実させている。

 土井本部長は「来年は東大合格も期待できる状況で、8月に10人程度の生徒を引率して『東大見学』を予定している」と自信を見せた。

 
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