入学志願者2000名超
大阪一、関西屈指の人気中学校
今年度の中学校入試志願者がのべ2210名、受験者が1530名と大阪の私立中学の中でも群を抜いた人気校となった開明中学校・高等学校。視野を関西圏全域に広げても、トップクラスの志願者数だ。昨年の志願者数が1300名余、受験者数900名余と言う数字と比較しても、かなり急激に伸びたことがうかがえる。
増加に伴い、ハイレベルの学校との併願志願者も増えた。その結果、定員を90名上回る290名が入学、予定より2クラス増加でのスタートとなった。
森田文明校長は、「今年度の入学生は、東大・京大・国公立医学科を目指すスーパー理数コースが2クラスに増加、集団全体の学力も向上しております。また、理数コース入学生のモチベーションも高く、さらなる学力アップに期待が持てますね」と話す。
スーパー理数コースは男女共学化に続く改革として、従来の理数コースとは別に平成18年度より導入、今年度で中学校全学年に及んだ。まさにこの『スーパー理数時代』の3年目の入学者増加は、開明全体が活性化を継続している証拠である。
ただし、2クラス増えたからといって、生徒個々への対応を崩すことなく、しっかりとした指導を続けることを、すべての教員が心がけている。学校に注目が集まれば集まるほど、教員への期待感は高まり、その分プレッシャーも重くのしかかる。だが、昨年度の共学化第一期卒業生の高い実績が導いた、世間の大きな注目を決して裏切らず、今年度入学生の新たなカラーを打ち出しながら、6年間しっかり育てていこうという教師たちの責任意識は強い。
「また、今年度の入学生が高校卒業を迎える年は、学院創立100周年と重なるため、注目度は他の学年よりも高くなるでしょう。そのときに生徒たちが胸を張って羽ばたいていけるよう、現段階から心して指導を行っています」
もちろん、育成するのは勉強だけではない。初対面の人間にも物おじせず、自己をアピールしながら相手と会話を交わせるコミュニケーション能力や、他者への思いやりを持ち、社会人としてのマナーを持って接するモラル面の成長といった人間教育にも力を入れている。また、しまなみ海道約43キロを一晩かかって踏破する夜間歩行も実践されている。このイベントは、努力を続ければ必ず大きな達成感を得られることを体感し、来るべき厳しい志望大学受験にも負けない心を創るということが目的のため、希望者ではなく中学3年の全員が対象。安全確保や夜食の用意などで、教員だけでなく保護者のフォローも不可欠となるので、終わった後、見守ってくれた母親との距離が近くなったという喜びの声が出ることも多い。
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高い実績に裏打ちされた指導で
全員が最難関国公立大学現役合格を
今年度の入試志願者数の飛躍的な伸び状況を産み出した、共学第一期生の現役国公立大学合格者は153名。全卒業生326名の46.9%を占める。さらに関関同立、早慶上智、他の医歯薬系などの難関私立大学を含めると、約80%の生徒が合格。『生徒全体の進学保証』という同校の目標に真実味が深まった。さらに今年度の実績も高く、第二期卒業生269名中、国公立現役合格者数は112名。全体の進学率は昨年度とほぼ同じ進路確保状況だが、国公立と私立双方での医歯薬系大学への合格者は76名と、過去最高数(48名)を大きく上回った。しかし、この結果にもまだ改善点があると、森田校長は語る。
「国公立大学の合格率は確かに高いのですが、関西の最難関国立大と呼ばれる京都大学への合格数は考えていたよりも少なかったですね。できるだけ多くの生徒の志望大学合格の夢を実現できるよう、超難関大学への進路指導について、われわれ教員がさらに研鑽を深める必要があると考えております」
実際、生徒のモチベーション向上方法や、シラバスの見直し、教科ごとの昨年度の反省と改善など、様々な点でのシステム変更が計画され、実践予定となっている。
たとえば、京大に合格する生徒が、学年の1割を越える進学校として、揺るぎない地位を築きたいと語る森田校長。そのためにも、全員に「やさしく、時に厳しく、しかも丁寧に」目配りした上で、個々の実力アップを図っていくという。開明の目指す新時代が、創立100周年を迎える頃にはもう来ているかも知れない。
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