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中学・高校受験:学びネット

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東海大学付属仰星高等学校中等部

 
  過去最高倍率を突破した120名 中等部で晴れやかに入学式
4月8日、桜の花片が舞い降りる中、東海大学付属仰星高等学校中等部の入学式が執り行われた。この日、入学したのは中等部入試において過去最高の競争率をくぐり抜けた英数特進、総合進学コースの120名。それぞれに緊張した面持ちながら、「入学を許可する者」として一人ひとり名前を読み上げられると、元気な返事とともに起立する姿は清清しく、参列の保護者らはしきりにその姿をカメラに収めていた。

校 長: 松岡 哲
住 所: 〒573-0018 大阪府枚方市桜丘町60-1
電 話: 072-849-7211
交 通: 京阪電鉄交野線「村野」駅から徒歩10分
学生数: 中学校  369名
高等学校 985名 (2008.05.1現在)
ホームページ: http://www.tokai.ed.jp/gyosei/

 

4月8日、東海大学付属仰星高等学校中等部の第13期生入学式に、真新しいブレザーに身をつつんだ新入生120名とその保護者らが臨んだ。開会の辞に続き、同校吹奏楽部の演奏により、新入生、参列者全員が建学の歌を斉唱すると、式場は一気に荘厳な雰囲気に包まれた。

続いて、3クラスの担任が順に新入生の氏名を読み上げ、松岡哲校長から入学許可を告げられた。新入生代表が松岡校長を前に「東海大学の建学の精神に則り、学習に励み、身体を鍛え、中学高校生活の6年間を充実させ、自己を磨くことを誓います」と宣誓し、式典はクライマックスへ。
その後、東海大学副学長を務める田中康夫氏より「総長式辞」が、校長より「告辞」が述べられた。同校の特色教育の根幹を示した田中副学長の祝辞要旨を紹介する。

−総長式辞―

皆さんのこれからの6年間は、知的関心、論理的思考が最も伸びゆく時期です。将来にわたっての人間形成の基礎を創る貴重な6年間であることを自覚し、存分に勉強に励んでください。

学び続けていると、現実とのさまざまな矛盾を感じたり、自分自身を見失ったり、迷い悩むことがあるかもしれません。しかし、そうした試行錯誤の中に人間の成長があるのです。悩みや迷いは若さの特権です。大いに友達と語り合ってください。そして、よき友人を得ようとするだけでなく、自分自身がよき友人となるために努力をしてください。

本学の創立者である松前重義は、キリスト教指導者であった内村鑑三に接し、自らの使命を発見しなければならないと考えました。そして1936年、望星学塾という私塾を創設し、次の4つの人生の道しるべを掲げたのです。

 若き日に 汝の思想を培え
  若き日に 汝の体躯を養え
  若き日に 汝の智能を磨け
  若き日に 汝の希望を星につなげと。

「思想を培え」というのは生き方、社会の見方、あるべき姿に対して自分の考え方を身につけることであり、「体躯を養え」は、皆さんに置き換えるならクラブ活動に励み、身体を鍛えることでしょう。「智能を磨け」というのは、確実な知識を身につけ、それを活用すること。「希望を星につなげ」は、高い理想を掲げ勇気と希望を持って歩んで欲しいということなのです。

松前はやがて望星学塾を航空技術専門学校として学校法人化し、1945年にはこれを東海技術専門学校と改称します。ここで初めて「東海」の名が登場するのですが、これは日本の東海地方を意味するものではありません。広くユーラシア大陸の東を意味する「東海」であり、本学で学んだ学生が世界に羽ばたき、活躍して欲しいという願いが込められているのです。

さて、1900年代は世界中が殺戮に巻き込まれた時代でした。今後の世界は遺伝子研究による生命科学、インターネットによるさらなる高度情報化社会といった超高度な技術革新により、便利な生活が保障される一方、個人の尊厳や社会の秩序が乱されることになるかもしれません。皆さんはこれから多くの問題に取り組んでいくことになるでしょうが、建学の精神を念頭に大きく成長されることを望みます。

多様な教育観に訴求し 受験者数を伸ばす

同校はここ数年、学校改革を推進してきたが、その結果が今年の中等部入試に反映されたようだ。英数特進コースの1次では競争倍率が3.19と、昨年の2.12を大きく上回り、総合進学コースでも1.66倍と、昨年の1.19より高倍率となっている。2次では、英数特進1.60倍に比べ、総合進学が逆に2.85倍で、2次における総合進学の合格が難しくなっているのが分かる(回し合格制度あり)。こうした結果は入試以前から「業者テストの志望者データから予測はついていた」と生徒募集対策室室長を務める田中敦夫教頭は話す。

合格者の平均点を教科別に見ると、1次における英数特進の国語が83.5点、算数71.1点、社会36.1点、理科53.3点となっている。2次では国語が70.9点、算数68.6点、社会49.0点、理科58.9点で、合計点では2次が若干高い。

同様に、1次における総合進学の国語が78.2点、算数55.9点で、2次では国語が63.0点、算数57.1点となっている。なお、総合進学は2教科受験となっている。

仰星中等部の「英数特進」の特徴は、大学受験対策だけでなく、建学の精神に沿って、バランスの取れた学校生活から人格形成を手助けする点にある。「無論、進学実績に対する高いニーズに応えるさまざまな努力を行っているが、まずは楽しく充実した学校生活を送ることができるというベースを大切にしている。その上で、国公立大学や関関同立といった人気大学への進学の可能性を感じていただける教育を実践してきた。そうした方針を多様な教育観を持つ家庭に訴求してきたところ、理解を得られ受験者が増えたと思う」と田中室長。

また、「総合進学」では、放課後、野球、サッカー、ラグビーなどクラブに打ち込みたい高学力の生徒が入学してくるのも近年の特徴である。田中室長はオープンスクールやプレテスト、学校説明会など生徒募集に関わる催しでも、軒並み前年を上回る手ごたえを感じていたという。その要因は在校生、卒業生の保護者による口コミによるところが大きいことは言うまでもない。また取材を通して、一連の改革の成果は見逃せないが、同時に建学の理念、教育方針について地道に理解を求め続ける同校の姿勢に、受験者とその保護者が信頼を寄せていることを感じた。

今回入学した中等部新入生には授業料免除や軽減などの特待制度はないが、高等学校進学の際に成績優秀で規定値を超える学力があるとみなされた者は、奨学制度を受けることができる。毎年、中等部から数名の奨学生が高等学校に進学しているのも魅力のひとつだ。

さて、今春の大学合格実績を見てみると、こちらでも明るいデータを残している。国公立大学の既卒者を含む合格者数は33名(昨年29名)、関関同立への既卒者を含む合格者数は129名(昨年95名)で、このうち現役合格者が関西大32(24)、関学6(5)、同志社18(14)、立命21(17)となっている。( )内は実数。高等学校の志願状況も好調で、今年は340名の募集に対し、いわゆる「戻り率」が高く372名が入学した。

中等部、高等学校を通じて受験者の増加は学力の底上げにつながることはいうまでもなく、今後の躍進に期待がかかる学校である。

 
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