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中学・高校受験:学びネット

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羽衣学園中学校・高等学校

 
  スーパー特進がさらに充実 他コースも選択肢増やす新たな工夫
国公立に進学したい、英語でスペシャリストを目指したい、部活で存分に活躍したいなど、十人十色の生徒の目標にきめ細やかなサポートを行う羽衣学園中学校・高等学校。課外補習やTOEIC講座、土曜講座といった実践の中から、効果的な指導法を見出し、改善に工夫を凝らしている。私学、女子校の学校経営・教育目標として「羽衣に求められるニーズ」を探り、着実に学校運営に生かしている。

校 長: 西田 健二
住 所: 〒592-0003 大阪府高石市東羽衣1丁目11番57号
電 話: 072-265-7561
交 通: 南海本線「羽衣」駅、JR阪和線「東羽衣」駅から徒歩4分、泉北高速線「和泉中央」駅よりスクールバス運行
学生数: 中学校  230名
高等学校 683名 (2007.11.1現在)
ホームページ: http://www.hagoromogakuen.ed.jp/

 

選択の幅、活動の場を広げるコース制

今年の高校総体で見事、初優勝を飾った体操女子をはじめ、羽衣学園の運動部の強さには定評がある。ホッケー、水泳は高校総体出場の常連で、卒業後アスリートとして活躍する生徒も少なくなく、何人ものオリンピック選手を輩出している。運動部だけでなく、文化部も活発な活動を行っている。ボランティア部というユニークなクラブもあって、同部に所属していた生徒が昨年「ヴァイオレット・リチャードソン賞」を受賞したことは、高校生としては珍しい。この賞は国際ソロプチミスト(世界的な人権団体)が地域や世界をよりよい場所にするためボランティア活動を行う若い女性に授与するもので、生徒が行ったマレーシアでのボランティア活動が評価されたもの。

こうした部活動で自分自身を存分に発揮したいと考える生徒が多く在籍しているのが、総合進学コースである。同コースでは、クラブ活動に励みながら有名私立大学への進学を目指す。高1入学段階では「情報」「英会話」などを含む充実したカリキュラムを編成しており、2年次よりやや密度の高い授業を希望する生徒のために「発展クラス」(1クラス)が設けられる。3年次よりは、志望する大学や学部により科目選択制を採用した授業が行われている。

同コースには、とにかく元気で活発な生徒が多く、部活での優秀な実績をもとに有名私大へ進学する生徒も多い。また、ともすれば受験対策にシフトしがちな総合的な学習の時間を重視し、学年ごとにテーマを決めて、調査研究からレポート作成、発表まで一貫して学習することで、幅広い学習の中から進路や生き方について考える機会を設けているのも特徴だ。さらに、土曜日には塾や予備校の受験ノウハウを取り入れた「羽衣土曜塾」を開設し、受験対策も充実させている。

前出のヴァイオレット・リチャードソン賞を受賞した生徒は、国際文化コースに籍を置いていたが、同コースの特色は海外研修制度とTOEIC高得点獲得講座にある。海外研修制度はこれまでイギリスオックスフォードで2カ月間の研修を実施し、ヒアリングの向上に特段に成果を上げてきた。ただ、「研修費が80万円かかることが受験の壁になっている」や、「長期の研修では部活動と両立できない」との声を受け、来年度より研修先を国内、マレーシア・ニュージーランド、イギリスから選択できるようにし、研修期間も15日〜40日程度と幅を持たせた。これにより研修費用も20〜50万円台となったことで、得意な英語を伸ばしたいと希望する生徒に大きく門戸を開くことになった。

そして、今年から特に力を入れているのがTOEIC高得点獲得講座。卒業時までに700点を目指すというもの。700点は単身で海外出張ができるビジネスウーマンと同等の実力で、大学生の平均スコア428点よりも格段に高い。現在、高3生で2人が700点以上を獲得しており、1人は775点を持っているという。スコアは大学受験でも点数化されていることから外国語系大学の受験に有利。

きめ細やかな見直しや取り組みを続ける総合進学、国際文化の両コースだが、もうひとつ基礎学力の充実を目的に「7時限目講習(質問タイム)」が開講されており、学力向上のサポート体制は万全のようだ。

高校にスーパー特進コースを新設

2年前にスーパー特進コースを中学校に導入したが、その第一期生が来春高校に進学するのを機に、これまで高等学校で設置されていた国公立進学コースが、スーパー特進コースに改称される。国公立大や難関私立大への現役合格を目指すことには変わりはなく、週37時間授業を実施し、長期休暇中も快適な環境で学習ができる「コース専用自習室」を設け同校卒業生によるサポーターが個別指導を行っている。夏・冬の課外授業には「河合塾サテライト授業」を導入、放送授業の後は同校教諭による解説を混じえ、弱点補強や得意科目の実力アップをサポートしていく。 さらに、8時間目、学生食堂を開放して行う講師陣による「放課後対策」も、羽衣の進学指導には欠かせない取り組みに成長している。
同コースのクラスは、中学校からの内部進学生と高校から入学した生徒で編成される。高1段階では分けて授業を行い、2年次までに高校入学組みのレベルアップをはかり、以後、混合クラスとなる予定である。

様々なサポート体制を充実させる同校だが、西田健二校長によると、「日々の教育活動を熱心に行うあまり、学園外に出て学ぶ機会が得られていない」という。教員にとって多くの教師の授業を見ることは、大きな刺激であり、学びの要素は大きい。現在は、塾や予備校のノウハウを得て、受験対策に生かしているが、通常授業の改善という観点から、外部研修制度、さらに充実したい考えである。

本音で接する名物校長
学園の生徒像を変える

さて、同学園の校長に就任して5年目を迎える西田校長は、快活、気さくな人柄で、自ら生徒指導担当の役割を果たしながら、教員が休んだ日は喜々として教壇にも立つ。「授業をやるの、うれしいんです」と。

そして何より、生徒への声かけが上手い校長である。「ルールを守れよ。挨拶してるか。困ってる子に声をかけたってや。“チョボラ”してるか」という具合に、そうすることが、生徒自身のためになることを気づかせる声のかけ方なのである。“チョボラ”というのは、ちょっとしたボランティアのことで、気張らずに気づいたことから、ちょっと尽くしてみようと西田校長が呼びかけた言葉である。

こうした生徒の目線に立った言葉かけを就任以来続けてきたことで、学園の生徒像は明らかに変わってきたという。端的な例として、なかなか心を開くことがなかった生徒が、英語のスピーチコンテストで優秀な成績を収めて以来、自信を得て、朗らかに挨拶をし、驚くほど積極的になった。「人は何かひとつ自信を持つだけで、こんなに変わるものか」と、改めて気づかされた時、教育現場で働くことの喜びを噛みしめるという。

「私たちは教育労働者でありながら、サービス産業従事者でもあるわけで、知力と体力なしにはこの仕事は務まりません。正直、しんどいですが、うれしいこともたくさんあります」と話す西田校長。生徒のどんな小さな頑張りも見逃さず、とにかく誉める、全校生徒の前で表彰する、「ちゃんと見てるよ」というメッセージを伝えることをやめない。それがどんな力を持つのかを見抜いている校長である。

 
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