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中学・高校受験:学びネット

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金光大阪中学校・高等学校

 
  『文武両道』は着実に浸透 改革は定着して充実期へ
本格的な中高6年一貫教育に取り組んだ一期生が卒業し、希望する目標に向って各自が思いどおりの進路を実現した。硬式野球部は、大阪大会で優勝、憧れの夏の甲子園出場を果たした。まさに部活動のトップレベルを達成し、大学進学実績も大幅にアップ。「文武両道」の実践は広く浸透して高校の生徒募集でも非常に人気が高い。創立26年の若い学校ながら、短期間で理想実現に近づけた金光大阪中学校・高等学校ならではの独自のシステムをうかがった。

校 長: 片山 剛
住 所: 〒569-8575 高槻市東上牧一丁目3番1号
電 話: 072-669-5211
交 通: 阪急京都線「上牧」駅から徒歩3分
学生数: 中学校  69名
高等学校 1173名 (2007.11.1現在)
ホームページ: http://www.kohs.ed.jp/

 

中高一貫の一期生が今春卒業

インタビューの冒頭「この生徒にはこんな進路をとってほしいなと私たち教師が思うとおり、バラエティーに富み、バリエーションのある進路を進んでくれました。取り組みの成果が出たと思います」と、西村公延教頭。

中高6年一貫制を中心に据え、プログラムを改良してからの一期生が今春卒業した。中学時代の留学体験を柱に、それぞれが自分の希望進路を実現、改革は定着して来た。

一期生トップの成績の生徒は、高3のTOIECのスコアは750、センター試験の英語では191点とほぼ満点に近い高得点を取り、志望する立命館大学への現役合格を果たした。現在大学では少数精鋭のハイレベルのクラスに在籍し、本人の希望であった英語の勉学に励んでいるという。また、中学時代の海外短期留学の後、さらに高校時代に同じくニュージーランドに1年間留学した生徒は、現役で関学大に進学した。留学先で異文化に触れ、いろいろな国の人たちと交流し、日本人にありがちな引っ込み思案を見事に克服。帰国後は積極的になった性格を活かして高校新聞の記者として活動する。充実した高校生活を送り、それらの経験を評価されて、AO入試による合格を勝ち得た。高校での留学は、本校の特色である中学での全員参加の留学体験が大いに強みとなって、海外での生活をよりスムーズにし、プラスアルファを含んだ実りの多いものになったと思われる。

どちらも後に続く後輩にとっては、留学を楽しみにし、自分の将来をイメージできるよい手本となったようだ。

本校ならではのコース制

さて、中高一貫体制のプログラムであるが、中学1・2年次は、しっかりとした基礎学力をつけ、中学3年次では、コース制となり、進学時担任との面談を通じて自分に合ったコースを決める。

難関大学現役合格を目指す「特進コース」、高校で1年間留学する「特進国際コース〔内進生のみの編成となるが、少人数のため特進コースのクラスに含まれる〕」、大学進学を目標に部活動にも集中出来る「普通コース」に分かれるが、内進生は基本的に「特進コース」へ進むことになる。

「特進コース」は、外部生のみのクラスと、内進生と外部生との混合クラスの2クラス。混合クラスはHRでは一緒だが、授業は教科の進度により習熟度別となる。一般に、中高一貫校では内進生は6年間持ち上がり、外の環境に触れる機会がない場合が多いが、本校では、高校で外部生と交じり合う。

「たとえば文化祭ではみんなでクラスの出し物を協力して作ったりします。そんな時、内進生は全体の『核』になって中学時代から培ってきたリーダーシップを発揮しています」と西村教頭は言う。クラス一緒の活動で、外部生の意見を聞いて方法を学ぶことにより、チームワークも身につける。教師が一方的に教え込むのではなく、生徒は与えられた競い合える環境の中でお互いに切磋琢磨してレベルアップしていくのだ。

特長的な中学のニュージーランド短期留学と
高校の「特進予備クラス」

先述の「特進国際クラス」へ進むきっかけとなるのが、中3夏に行われる全員参加のニュージーランド1カ月留学である。行く前には保護者ともども不安もあるようだが、実際に行ってみると、「すばらしい」という感想が多く、当初、気が進まなかった生徒も帰国が近くなると「帰りたくない」と言うほどだという。英語力と人間性をバランスよく育てるため、語学学校に通いオールイングリッシュの授業を受け、ホームステイでの一ヵ月間滞在は中学3年間の集大成といえる。この経験をもとに、高校でもう一度留学を希望する生徒は「特進国際クラス」を選択するわけだが、1年間の留学期間を含む3年で卒業できるため、現役での大学進学が可能となっている。

同じく特長的であるのが、「特進予備クラス」だ。高校1年次のみ、「普通コース」に入学した生徒の成績優秀者を対象に編制される。2・3年次には希望すれば学力によっては、「普通コース」から「特進コース」へ移ることができる。
中学時代はサッカーに熱中、高校でも部活を続けたいと「普通コース」を選択したA君は、「特進予備クラス」に入る。サッカーより、勉強のほうがおもしろくなって、成績も伸び、2年からは「特進コース」へ替わって今年早稲田大学へ見事現役で合格した。このような入れ替え制による生徒一人ひとりへの対応は、塾の先生方からも「興味をひかれるユニークなシステム」と評価する声が多く聞かれる。

文武両道のこれから

今年の夏、野球部は念願の甲子園に出場し、学校全体がたいへんな盛り上がりをみせた。また一方では、高校の3年間、特進コースに在籍しながらクラブ活動も継続してインターハイにはレギュラー出場、ゴールは神戸大学に現役合格という生徒もいる。
「クラブをやりながらでも、国立大へ行ける、勉強しながらでも甲子園へ行けるんだ」と他の生徒たちの大きな自信となった。

しかし、実際、クラブ活動をしながらの勉強は容易ではない。時間に制約された生徒を限られた中で、どう集中させ、どんな練習をさせるか、たいへんむずかしいところであるが、教師集団の理解力とチームワークがあったからこそだと西村教頭は振り返る。
「中学・高校時代の子どもたちは、いろいろな可能性を秘めた宝の山だと思います。いったん、方向を決めたとしても、興味の対象や、やりたい事は変わって当然。そのため、金光大阪では、生徒にいろいろな経験をさせたいと考えています」

海外留学を始めとして、様々なチャンスに出会い、その中で友だちと刺激し合いながら新しい自分を見つけていく。学校はその手助けとなるよう、それぞれに応じた受け皿としてコースを設定し、生徒自身の能力を伸ばすプログラムを用意する。6年間の中で、自分を見出し、隠れている自分を見つけてほしい。これら本校独自のシステムは「すべての人に与えられている個性を生かす教育の場を願う」建学の精神と結びつく。
金光のキーワード、文武合わせながらトップレベルへという目標は達成できた。近い将来必ず、「金光大阪でなければ─ 」と言われるようになって来るはずだと西村教頭は確信する。

 
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