サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関西校・ 関西一覧
   

神戸国際中学校・高等学校

 
  少数精鋭で医歯薬系進学率33%「違い」を認め、伸ばす教育が成果
国公立大34%、医歯薬系大33%、関関同立66%と、驚くべき現役合格率をはじき出している神戸国際中学校・高等学校は、知る人ぞ知る女子のための中高一貫進学校だ。入学時、平均的な学力の生徒が6年間で飛躍的に伸びる学校として、一般誌の取材を受けるほど。徹底した個性重視の教育方針は、生徒の自主性と自己管理能力を最大限引き出し、のびやかな学校生活が、広く深い知識の吸収を見守っている。

校 長: 藤井 修
住 所: 〒654-0081 神戸市須磨区高倉台7丁目21-1
交 通: JR「須磨」駅、市営地下鉄「妙法寺」駅よりスクールバス/市バスの場合は75系統「高倉台7丁目」降車/「須磨」より16分、「妙法寺」より6分
学生数: 中学校  名
高等学校 名 (2007.9.1現在)
ホームページ: http://www.kis.ed.jp/

 

徹底した個性重視教育は
少人数制でこそ可能

神戸市須磨区の高台、その緑豊かな自然林に、美術館を思わせるような校舎が建っている。中央ホールの丸い外観、三角屋根に、四角い窓の校舎は建学の精神を表現、そこで学ぶ者に「丸は丸のまま、三角は三角のまま、四角は四角のままに伸びゆけ」というメッセージを送っている。

さらに、校舎内に踏み入っては、その造りのユニークな魅力に驚かされる。曲線を描く廊下、照明や採光によって生まれる光と影、天に昇る龍をイメージした階段など、一般的な学校のイメージが、心地よく裏切られていく。

この学び舎で6年間の中等教育を受けた生徒が、人間的に大きな成長を遂げ、結果としてハイレベルな学力を身につけ、阪大、神大といった難関国公立大(卒業者に対する進学率は34%)をはじめとし、医歯薬系大学(同33%)、早慶上智(同12%)、関関同立(同66%)などへ進学を果たしているのをご存じだろうか。少数精鋭主義をモットーに、生徒ひとり一人をきめ細やかにサポートする体制がとられているが、好実績の最大要因は、何といっても「のびやかな学校生活」にある。

教育現場で個性重視を唱えることは、いまや一般的になった。だが、その方針を徹底し、生徒を信じ、可能な限り制限を加えない教育をどこまで実践できるかは、依然問われ続けている。1学年60名(最多90名)という少数制だからこそできる、個性重視教育の具体的内容を見てみよう。

まず、制服、チャイムがない。服装や時間の管理は、本来自分で行うものという考え方から、その自由と責任は生徒自身に委ねられている。同校には指導という言葉が、どこかなじまない。例えば、「生徒指導」という学校用語があるが、同校では教員側が画一的なモデルを示し、それに生徒を従わせるということはしない。社会常識的な判断材料を示し、あくまで話し合いによる解決、導きを図っている。

ありのままの自分を、教員にも友達にも受け入れられる安心感から、入学時の成績が6年間で大きく伸び、前述のような、好実績を上げているのだ。

認め合う環境が安心して学ぶ環境に

今年4月に就任したばかりの藤井修校長は、長年、兵庫県立高等学校で教鞭をとり、校長や県教委での経験を持っている。その藤井校長が就任直後「何と、生き生きと、そしてのびやかな生徒たちか」という新鮮な驚きをもったという。また、「正直、兵庫県内の高校は一通り知っているつもりでしたが、生徒の自主性を重んじながら、これほどの進学保証をしている学校があることを知らなかった」とも打ち明ける。

隠れた進学校として、ごく限られた人々の間でファンを獲得してきた同校は、県内での知名度は高いとはいえない。その理由を「これまでほとんど広報活動をせず、ここ1〜2年で初めて情報発信を始めたところです」と、教諭で広報部長の岡田干毅氏。だが、中には在学生の保護者の口コミなどで、岡山から新幹線で、また、京都から2時間近くかけて通学する生もは珍しくないという。それでも遅刻することもなく、生き生きと学校生活を送ることができるのは、友達同士が互いに吸収し合うことの素晴らしさを、日々感じているからではないか、と藤井校長はいう。

吸収し合える環境とはどういうものか。同校では聖徳太子の倫理観「和をもって貴しとなす」を建学理念としているが、藤井校長はこの「和」の真の意味を、次のようにわかりやすく生徒に解説している。「『和』は料理の和え物のようなもの。様々な食材と調味料を合わせることによって、それぞれの持ち味がより生かされ、結果として美味しい一品になる。友達同士においても刺激し合い、良いところを吸収しあってこそ、和やかな集団を創りあげることができる。そのためにはしっかりとした自分自身をもっていることだ」と。

まさに、わかりやすい例えで、個性の伸長が認め合う環境を生み、学校全体としての積極性、学力向上を支える礎になっているというわけだ。

加えて、岡田広報部長の「おとなしい子には、おとなしい子なりの存在感がある。全員が元気でないとダメだとか、明るくないとダメだとかという考えがそもそも教員の側にない」との言葉は、次のような生徒のコメントと符合している。「この学校に入ってよかったと思うのは、いろんな友達に出会えたことで、安心できたこと」。

さて、そんな生徒たちが最終学年に至ったとき、目指す進路は当然のように種々多様である。「獣医になって、野生生物の保護に取り組みたい」「理系のアナウンサーになりたい」「国連職員になって広い世界で活躍したい」「経営者になってお金を貯めたい」「海外でデザインの勉強をしたい」など地球規模的で、高いモチベーションが伝わってくる。

「自分を見せる」 ことができる授業

少人数制を堅持する同校の授業もまた、ユニークである。高2〜3年生になると、選択制授業となるため、1クラスが10名程度に、また、中学生でも最も少ないクラスは14〜15名という人数で行われる。一斉授業形態ではあるが、教員が一方的に話す形の授業ではなく、生徒側からの問いかけがふんだんに可能な、いわば「全員参加型」の授業が行われている。深い理解とコミュニケーション能力を養う上で、理想的な授業といえる。

また、総合学習型授業として成果を挙げているのが、中3の1年間を通して行われる「課題研究レポート」である。大学の卒業論文のミニ版のようなもので、テーマは生徒が自由に決定。研究・調査のため、必要に応じて校外での取材、パソコンを駆使した情報収集を行う。また、収集した情報の取捨選択作業と、ひとつの課題を完成させるために、生徒たちはあらゆることに挑戦する。生徒数人に担当教員が1人付くが、取材や調査の方法をアドヴァイスするだけで、生徒が主体的に活動を行っていく。

結果的に、こうした授業が社会と生徒を結びつけ、図らずも一般にいわれる「キャリア教育」の役割を担っているようだ。学校では一般に、きめ細やかな対応を「生徒の顔が見える」という表現をする。だが、同校ではさらに一歩深く、「生徒が顔を見せる」授業が創造されているようだ。

最後に藤井校長に希望する受験者像について聞くと、「夢を持ち、どう生きていくかを考え、互いに切磋琢磨できるお子さんに是非」とのこと。のびやかに、安心して学べる女子の中高一貫進学校を望む保護者には、一度訪れてみる価値は十分にある。

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.