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中学・高校受験:学びネット

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近江高等学校

 
  夢実現へ、サポート体制をさらに充実
普通科と商業科を併設する近江高等学校は、生徒の多様な学習ニーズに応えるため、教育内容を様々に進化させている。2005年度には「医療系特進専攻」を新設。また最難関大学進学をサポートする特別プログラムもスタート。今年度からは、さらに幅広い層の進路希望を実現するため、新たな取り組みを開始した。

校 長: 笠原 武夫
住 所: 〒522-0002 彦根市松原町大黒前3511−1
電 話: 0749-22-2323
交 通: JR東海道本線・近江鉄道本線「彦根」駅より徒歩18分、またはスクールバスで5分
学生数: 790名 (2007.9.1現在)
ホームページ: http://www.ohmi-h.ed.jp/

 

放課後を有意義に4つのパターン

近江高等学校は、来年創立70周年を迎える。その記念事業を先行させる形で、数年前よりハード・ソフト両面で様々な改革を実施してきた。

2005年に完成したセミナーハウス「白帆会館」もそのひとつだ。1階は広々としたカフェテリア、2階には宿泊施設を備えた研修室がある。

新入生が最初に体験する行事が、このセミナーハウスでのオリエンテーション合宿である。入学式の翌日から1クラスずつ、1泊2日でクラスの親睦を図るとともに、学校生活や学習の仕方について研修する。

進路指導主事の望月満夫教諭は、「高校3年間の最初の動機付けですから、各コースごとに進路目標を意識させるようにしています」と話す。

同校は普通科3コースと商業科2コースを設置しており、学力的に幅広い層の生徒が学んでいる。

普通科の特別進学コース「アカデミー」は、1クラスを30人以下に設定する少人数制。きめ細かな指導により国公立大学や最難関私大への現役合格を目指す。通常の6時限授業に加え、7・8時限目に演習授業を設けている。ここ数年で国公立大学の合格者数が伸び、今年も神戸大や滋賀大などに10数名が合格した。

「アカデミーに入れば難関大学合格は確実という『アカデミーマジック』を夢見て入学してくる生徒もいますので、オリエンテーションでは、学習の積み重ねの重要性を理解させます」。

1年生には1学期の期末試験前に2泊3日の勉強合宿を実施し、家庭での学習スケジュール管理の方法も指導する。

さらに今年度からは、生徒の学力や希望に応じて放課後を有意義に活用できるように、「クローバー+システム」と名付けた4つのパターンを用意した。第1は「東大・京大・医師薬対応の特別プログラム」。学力の高い生徒が高度な演習問題に挑戦する。第2は「フォローアップ」。文字通り、補習が必要な生徒に19時までフォローアップする。その他の2パターンは、それぞれクラブ活動と自学自習である。今年からアカデミーの生徒もスポーツ系のクラブに加入できるようになり、8時限終了後にクラブ活動に駆けつける元気な姿が目立つ。

「クローバー+システム」の名付け親である広報課の山本真弓教諭は「四つ葉のクローバーのように生徒に幸運をもたらすシステムにしたい」と話す。

必要な講座を最適なタイミングで

普通科はその他、進学コース「アドバンス」「ジェネラル」がある。いずれも勉強とクラブ活動を両立させながら進路目標を実現する。コース分けは入試の成績により決められるが、2・3年進級時に、本人の希望と成績によりコース変更が可能だ。

アドバンスは2年進級時に、文系・理系・医療系特進に分かれる。

このうち医療系特進は看護師や医療技術者、管理栄養士等の資格取得を目的として大学進学を目指す。

同校では医療系志望者が以前より滋賀県立看護専門学校や滋賀県立総合保健専門学校などに進学する生徒も多く、特別サポートを実施していた。そのため2005年度に新たに医療系特進として新設し、独自のカリキュラムを導入。近隣の病院などで体験学習も行う。1期生は現在3年生。滋賀県立大学人間看護学部などを目指し受験勉強に励んでいる。

商業科は資格取得コース「スペシャリスト」「セレクト」の2コースが設置されている。いずれもコンピュータや簿記などの資格取得をめざす。そのなかでも、簿記実務検定1級や情報処理検定1級など上級資格取得を目標としているのがスペシャリストコースである。今年の卒業生は資格を利用し、京都産業大学や大阪経済大学などに進学した。望月教諭は「当面の目標は滋賀大学経済学部」と話す。

今年度より、アカデミーコース以外の普通科と商業科の生徒を対象とする特別プログラムもスタートした。

その第1が、中堅国公立合格対応講座「特講」だ。3年生を対象にセンター試験対策の講座を7・8時限に開講する。

「クラブを引退してから目標大学を目指し、ラストスパートをかけます」。普通科・商業科を問わず、希望者が受講できる。

またアドバンスの生徒は希望により、先の「クローバー+システム」の「フォローアップ」に1年次から参加可能だ。

一方、学力下位層の生徒のためには、1年次の授業のなかに週2時間の「基礎講座」を組み込み、懇切丁寧に基礎学力を補強する。受講を希望する生徒は、数学Aや理科総合などの科目をこの「基礎講座」に変更できる。

望月教諭は「伸びる生徒は伸ばし、成績が低迷している生徒は引き上げる。どの生徒も進路の希望を実現できるように、教育サービスを細分化しました」と話す。

生徒とともにさらに進化

同校には職員室が6つある。アカデミーコースの担任とチーフはアカデミースタッフルーム。その他のコースの担任は学年ごとに分かれる。ただし3年生の担任は普通科と商業科で各1室。それに広報課の1室だ。これは、先生方の目的意識を共有化し、連携を強化するために2002年度より実施された。その結果、コミュニケーションも密になり、物事がスムーズに進むという。

「よいと思うことはすぐに実行する。フットワークが軽くなりました」と望月教諭。

先生と生徒の距離も近い。職員室を生徒が気軽に訪れる。なかには、放課後に担任の先生の机の横に教室から机を持ち込んで勉強する生徒もいる。

生徒からの要望が取り入れられるケースも多い。アカデミーコースのクラブ活動自由化もそのひとつだ。今年からは女子生徒の制服に、ブラウスのアクセントとしてネクタイ、あるいはリボンも加わった。

山本教諭は「生徒に近い学校として、ニーズに応えて進化していきたい」と話す。

望月教諭も「学習環境の整備が一段落したので、今後は、シラバスを教科の指導計画にとどまらず、人間教育を根底に据えたものへと高めていきたい」と抱負を語る。大学進学のための教科指導から、教科の学習を通じて人間的深みが増していくような授業である。それをシラバスに盛り込む考えだ。

今年度の学校案内には、教科を担当する先生の「コミュニケーション力」や「豊かな人間性」「ライフスキル」等の言葉が目立つ。先生方の意識は、確かにその方向に向かっているといえるだろう。近江高校の進化は続く。

 
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