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中学・高校受験:学びネット

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金光八尾中学校・高等学校

 
  国公立へ55、関関同立へ343名 面倒見の良さで加速する合格実績
1984年の創立から23年目にして、驚異的な大学合格実績を打ち立てた金光八尾中学校・高等学校。特にここ4年の伸びは急速だ。2007年にはついに関関同立、早慶への合格者が目標の200名を大きく上回る343名を記録した。中学校入学時の偏差値45レベルの生徒が神戸大、大阪外大、早稲田といった難関大に現役合格している。なぜ、伸ばせるのか、どう、伸ばすのかを探った。

校 長: 中西 正
住 所: 〒581-0022 大阪府八尾市柏村町1-63
電 話: 072-922-9162
交 通: 近鉄大阪線「高安」、「恩智」駅から徒歩10分・JR大和路線・近鉄道明寺線「柏原」、「志紀」駅経由スクールバス運行
学生数: 中学校  243名
高等学校 864名 (2007.7.1現在)
ホームページ: http://www.konkoyao.ed.jp

 

数字が示す金光八尾

近鉄「高安」駅から桜並木の通学路を抜けて約10分、金光八尾中学校・高等学校の正門が見えてくる。創立からわずか23年、校名が一般週刊誌に何度も掲載されるまでになったのは、難関大学への合格者数を急速に伸ばしているためだ。もっとも10年ほど前までは、無名に近い学校であった。

実績を伸ばせば、決まって囁かれるのが「成績優秀者の特待制度があるのだろう」という風評だ。だが、金光八尾が示した今年の数字は、もはやそんな風評が通じないほどの驚異的な伸びである。京都大学への現役合格をはじめ、神戸大、大阪外大、奈良女子大、広島大など国公立大へ55名(防衛大18名を含める)の合格者を出したのだ。難関私大へは関大115名、関学77名、同志社57名、立命94で、合計343名。これに早慶、東京理科大への合格者を合わせると348名である。「すべての生徒を伸ばす指導」なくして、はじき出すことのできない数字だろう。しかも現役占有率は98%だ。

なぜ、数字が伸びたかという問いは即ち、どうして生徒を伸ばせたかということと同義だ。同校へ入学してくる生徒が、そもそも成績優秀者であったという見方もあるかもしれないが、必ずしもそうではない。今春、大学受験をした生徒の中学校入学時の学力をみると、駸々堂の偏差値で40〜50といったレベルだ。例示すると、A君の偏差値は入学時47程度であったものが、中2の2月時点で70を超えている。また、B君は40ぎりぎりの値から中2の2月時点で64まで伸びている。

こうした例が一部の限られた生徒のものでないことは、学年全体の模試結果で確認することができる。2003年に中学校に入学したクラスの9月の模試の偏差値割合は、60以上の生徒は11.7%であったが、3年後の2006年に入学した生徒では約3倍の、33.8%の生徒が60以上の偏差値を獲得した。その結果、中学入試の合格ラインは徐々に上がった。現在の中3生においては中1の9月時点で、偏差値60以上の生徒は27.7%であったが、1年半後の中2の2月では53.9%に、これも約2倍に増えている。

こうした数字の裏には、教員間の合言葉「一人ひとりを大切にし、すべての生徒を伸ばそう、伸びる生徒はもっと伸ばそう」がある。その言葉をスローガンとして日々の教育活動が実践されているのだ。

教育は人なり

「人はみな神の氏子」という建学の精神に基づき、同校は子どもと教員の人格の触れ合いの中での教育実践を重視してきた。その要は学習指導の充実と、生徒指導の充実であることはいうまでもないが、さらにそれらに加え、家庭との連携にも重きを置いている。
定例的な保護者懇談会だけでなく、クラス、学年単位で積極的に会合を持ち、気がかりなことを発見した場合は、早い段階で教員が家庭に足を運ぶことも少なくない。それは高校生であっても例外ではなく、双方向の連携の中で保護者は学校の教育方針に一層理解を示し、教員も家庭でしか知ることのできない生徒の一面を発見することができるなど教育的効果を発揮している。

また、学力をつけるためにHRの活用、充実を図っている点も興味深い。HR宗教教育、人権教育などが行われているのが一般的だが、「悩みの共有」を目的としたHRは珍しい。だが、これが学力向上に直結しているという。思春期の子どもに悩みがあるのは当然だが、尾を引くこととなっては学習環境が乱れがちだ。「悩みがあることを前提とし、それを打ち明けられる環境をつくることが大事」と語るのは、中西正校長。

そのためには普段から信頼できる人間関係の構築は不可欠。そして、その一助となっているのが挨拶運動の継続である。あいさつは気軽に声をかけられる環境を生み出し、教員が生徒と触れ合う機会を増やす。心を開いた人間関係でのアドバイスは受け入れやすく、これが、同校での生活、学習の両面指導で大きな効果を挙げているのである。
いまひとつ、生徒指導面での大きな特色は教員の「事例研修会」にある。管理職が教員に、校内で起こりうるさまざまな指導を必要とする場面を想定し、演習問題を作成、その解決法を教員間で討議し、専門家の指導も受けながら研修していくというもの。演習問題はいじめ等今日的な課題や、下校中の事故、様々な問題事象への対処の仕方など、具体的状況を想定し、その対応策を問うている。

これら学校生活を取り巻くあらゆる角度からの、生徒一人ひとりに対応した取り組みが、結果として希望する進路を数多く実現させてきたといえるだろう。「面倒見の良い学校」という一言に尽きる。

新コース設置で変わる中学校

大学合格実績の伸びとともに、中学校入試では合格ラインが上昇してきている。これを機に、来年4月より中学校に「特進Tコース」と「特進Uコース」を設置する。1クラス35名で、男女70名を募集する。特進Tは難関国公立大、最難関私立大へ、特進Uは国公立大学、難関私立大への進学をそれぞれ目指す。特進Tは中3次より先取り学習を進め、高2で国公立文系と国公立理系の志望別クラスを編成する。すでにカリキュラムも編成済み、授業充実に向けた研修も行っている。

両コースとも高校進学時に「内部進学者学力検査」を実施し、特進Uから特進Tへ、またその逆のコース替えも行われる。今回のコース設置について本荘忠彦副校長は「特進Tコースには、今春の新入生の学力から考えて偏差値50以上の生徒が数多く入ってくることを期待しています。入学時の学力は決して高いとはいえなくても、入学後にグンと伸ばすことには自信があります」と話す。新コース設置に踏み切った理由として、現在の中3生の中に偏差値が60以上の生徒が54%もおり、内部生だけで特進のトップクラスをつくることができるようになったことが挙げられる。

これまでも高校の特進コースでは7時間目、8時間目の授業を実施してきたが、休む生徒はほとんどいないという。参加する生徒は「最初はしんどかったけれど、いつの間にかそれが生活のリズムになった」と話す。小まめに定着度を確認するテストを実施し、一人ひとりの生徒の弱点と、その補い方を処方したいわばカルテのようなものをつくり、「その子にとって」一番効果的な指導を行っている。

なぜ、伸ばせるのか。その鍵はやはり日々行われる地道な教育活動にあった。取材を終えた放課後の校内には熱心に部活に取り組む生徒の姿があった。

 
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