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中学・高校受験:学びネット

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帝塚山学院中学校高等学校

 
  関学コースに大きな反響 美術コース――イラスト・マンガ・アニメ専攻も人気
関西学院大学との協定締結により、同大学への進学を保証した「関学コース」が今春からスタート。大きな反響を呼んでいる。中1と高1を対象にそれぞれ80名の募集枠がある。また、地元大阪では常にトップクラスの評価を受ける「美術コース」には、イラスト・マンガ・アニメ専攻を新設、芸術系大学との連携を行う。

校 長: 山本 三郎
住 所: 〒558-0053 大阪市住吉区帝塚山中3-10-51
電 話: 06-6672-1152〜3
交 通: 南海高野線「帝塚山」駅から徒歩1分・阪堺上街線「帝塚山三丁目」駅から徒歩1分
学生数: 中学校  496名
高等学校 928名 (2007.7.1現在)
ホームページ: http://www.tezukayama.ac.jp/cyu_kou/

 

多様化する学部、学科に
応える「関学コース」

“なりたい自分が見つかる場所”をキャッチフレーズに、多様化する進路へのニーズに応えてきた帝塚山学院中学校高等学校は、今春から新たに「関学コース」を始動させた。同コースに在籍の生徒は原則として、全員が関西学院大学への進学が可能でとなる。8学部(2008年度には人間福祉学部も開設)を擁立する総合大学への進学保証は、近年、ますます多様化する女子の進路に新たな可能性を見出せるものだ。

今回の協定締結からさかのぼること10年。同校は進学指導において、大きな社会的ニーズの変化を感じ取っていた。というのも、帝塚山学院中学校に入学した生徒は、そのほとんどが推薦を受け、同高等学校に進学、卒業後は併設の大学か短大に進学するという、いわゆるエスカレーター式の進学希望者が多かった。

ところが、約10年前を境に短大や、女子大への進学を希望する生徒は急速に減少し、4年制大学・共学化へのシフトが一斉に行われようとしていた。その上、それまでは一般的だった女子の文系大学への志望が、理系大学も含むさまざまな学部、学科への拡がりを見せるようになった。同校でも一気に、難関といわれる大学にチャレンジする生徒が増え始め、中高一貫化による本格的な進学指導が求められるようになった。

社会的変化に対する同校の対応は早かった。9年前にコース制を設置し、かつ、個性重視の伝統校としての教育を実践するため、「音楽コース」「美術コース」といった芸術部門を含む7コースを編成。中規模校としては異例の充実度で注目された。

「進学先の間口拡大というニーズに応える改革がどうしても必要でした。そうした流れの中で、本校の生徒、保護者が望む進学先の一つが関西学院大学であったことから、今回の『関学コース』設置というひとつの結論に至りました」と話すのは山本三郎校長。同コースからの進学可能な学部は新設学部も含めた全学部が対象で、原則として生徒の第一希望を尊重する方針。募集は2009年度まで中1と高1、それぞれ80名の生徒を、それ以降は中1のみ80名となる。

なお、コース新設に伴って、週34時間であった授業時間数を39時間に増やす決断を行った。関学コースから進学する以上、提携校としては一般入試で関学に入学する学生と同等以上の学力を保証する必要がある。同時に、受験勉強一辺倒の学校生活に陥らず、全人教育にも一層の力を傾注しなければならない。これらの課題を果たすため39時間制の導入となった。また、39時間制は他の6コースも同様となる。

美術コースに新専攻
他コースには充実の指定校枠

大阪府内で常にトップクラスの受賞実績を誇る「美術コース」では、これまでの美術・映像・デザイン専攻に加え、イラスト・マンガ・アニメ専攻を新設する。世界的に高い評価を受け、日本の冠たる文化である漫画や動画製作を志望する若者は増加傾向といわれる。同校でも、すでにコンピュータ授業の中で取り入れられてきた分野だけに、内部からも新設を求める声は高まっていた。早くも京都精華大、大阪芸大は強い関心を示し、同専攻の授業には両大学が支援を申し出るなど、今後、連携を深めていくと見られる。美術コースの入試は「英語」と「国語」、それに創造表現とデッサンの能力を問う「実技」が実施され、配点は英語と国語がそれぞれ100点ずつ、実技が300点(創造表現200点・デッサン100点)となっている。

7コースのうち、「学院・私文」「音楽」「英語国際」コースについては、神戸女学院大の推薦枠が用意されていることも大きな魅力だ。「神戸女学院はわが校の生徒、保護者にとって関学同様、進学希望がたいへん多い大学です。その大学に30名の指定校推薦枠をいただいていることは、生徒にとって大きな励みとなっています」と山本校長。推薦枠内訳は「学院・私文」に12名、「音楽」に2名、「英語国際」に16名となっている。

英語に強いといわれる神戸女学院大から16名もの推薦枠を確保する「英語国際」コースは、近年、特にその実力を発揮している。このコースに在籍の生徒は、卒業時までにほとんどが英検2級を取得するが、昨年は2名の生徒が高2の時点で準1級を取得したことは、英語は無論、国際的視野を広げる取り組みの成果といえるだろう。その一環として、高2生は6月から8月にかけての3か月間、全員が海外研修に参加する。この経験がその後、資格検定に臨む生徒のモチベーションに深く関わっているのは言うまでもない。

さて、同校で最近、特に著しい伸びを示しているのが、医歯薬系大学への進学希望者数である。医歯薬系コースの前身であるT型・国公文理コースでは30〜40名の生徒が医歯薬系大学に合格している。。理数系科目に重点を置いたカリキュラムで、筑波大、奈良県立医科大、近畿大、大阪医科歯科大など高い実績を上げ、今後も進学希望者は増えそうだ。

教育理念に沿った ニーズ対応と改革

取材当日は中1生の保護者会の開催日であったが、山本校長はこうした機会に常に進路に関する話をしている。9年前にコース制を敷いた時点から、進路説明会を頻繁に開催して来た。その理由を「中高一貫コースでは、中学3年生の12月時点で、その後の3年間のコースを決定します。各コースとも相当特化したカリキュラムを組んでいるため、途中変更が不可能な場合もあります。そのため早期から進むべきコース、進路を見極めていただく必要があるのです」と話す。

時代の変化の中で、その時々のニーズに対応してきた帝塚山学院中学校高等学校。教育の内容や方法を改革することはあっても、90年の伝統が守り続けた教育理念が変わることはない。「高い志・豊かな感性・他への思いやり」というモットーを大切に「『個性の伸張』に取り組む。これが私たちの最も大切にする教育です」という山本校長の言葉に、時代の変化に対応しながらも決して教育の本質を見失わず、常に子どもたちにとっての最善を見極めていく覚悟を見た思いがした。

 
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