サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関西校・ 関西一覧
   

同志社香里中学校・高等学校

 
  50周年事業を終え新校長とともに新たなスタート
男女共学化・コース制廃止を始めとする教育システムの改革や学習環境の整備など、創立50周年事業も完了。同志社香里中学校・高等学校は、今年度より校長に就任した西山啓一氏を筆頭に、新たな時代へ向けてのスタートを切った。新時代に生きるのではなく、“新時代を創る”生徒の育成を重視する指導のあり方に、伝統校の自負が見える。

校 長: 西山 啓一
住 所: 〒572-8585 大阪府寝屋川市三井南町15-1
電 話: 072-831-0285
交 通: 京阪電車「香里園」駅より徒歩約20分
学生数: 中学校 748名
高等学校 913名 (2007.7.1現在)
ホームページ: http://www.kori.doshisha.ac.jp/

 

豊富な知識を持ち
新時代を創る生徒を

2001年には、創立50周年を迎え、記念事業として施設や教育システムに様々な改革を行ってきた同志社香里中学校・高等学校。伝統と革新を合わせ持つ同校を、この4月に前校長から引き継いだのが西山啓一校長である。

50年以上に及ぶ伝統ある同志社香里の建学の精神を尊び、原点に立ち返った生徒指導をしていきたいと語る西山校長。それは、時代にしたがって生徒を育成するのではなく、豊富な知識を持ち、その知識を正しく使うことで、自らが新しい時代を創っていける生徒、そしてこれからの時代はどのような世界にしていけばいいのか、先を見通せる力を持ち、判断していけるような生徒を育成することだと話す。そのためには、現代に必要とされる自主自立・国際主義の精神とともに、時代の流れに制約されない広い視野を持たせるような教育を進めていくというのが、校長就任にあたっての抱負だ。

「昨今の教育行政では私学にも公立と同じ学習指導要領の厳格な順守を求めたり、公立が特徴を出すために多くの授業時間を確保するなど、私学の存在意義が薄れかけています。しかし、私学の特色を出すためとはいえ、生徒を追い込むような授業時間数の増加が、本当に生徒のためになるのかは疑問ですね。幸い、本校には同志社大学や同志社女子大学への内部推薦制度があるので、本人が希望すればそれらの大学に進学できる可能性が高い。ですから、ある程度は余裕を持って指導し、様々な生徒の可能性を開かせることができると思います」

それを実践するためには、教職員の意識改革や能力の向上も欠かせない。同志社香里では、『新しい教育を生み出し、進めていくにはどうすればいいか』をモットーに、様々な生徒の目標・個性に合わせた教育を行うため、多種多様な研修などで教員の教科指導力や、実力アップを図っている。この取り組みにより、教員が自信を持って指導にあたれるようになり、生徒への接し方もよりよい方向に変化している。

時代に逆らうコース制廃止こそ
今の生徒に合ったシステム

グラウンドに柔らかな人工芝を敷き詰め、第2体育館を竣工、2001年度から進めてきた学校全体の学習環境整備も一段落した。6年間の教頭時代を含め、最初からこの改革に携わってきた西山校長は、これからを『同志社香里の新たなスタート』と位置づけている。

改革のスタートは2000年の高校男女共学化から。現在は中学で約3分の1、高校で4割強を占めている女子生徒だが、改革当初は当時の国際コースのみ。一学年300名を超す生徒数の中でわずか40名程度であった。それでも女子がいるというだけで学校全体が活性化し、授業や行事、クラブ活動も活発になる。訪問した外部の人が、学校全体を共学化したのかと間違うほど明るさが加わった。そして今年、全学年に女子生徒が加わり、完全に共学校となったのだ。

また、高校のコース制を廃止して今年で3年目となる。コース導入を始める私学も多い中、時代に逆行しているのではと疑問視する声も上がるが、進路選択の時間が長いことは、今の時代の生徒には大切だと西山校長は話す。

「高校2年、早ければ入学時点でのコース分けは、将来の選択肢を狭めます。まだ10代前半の生徒が、自分の将来をそんなに早い段階で決められるものでしょうか。自らの将来のため、豊富な知識を正しく使うことができるよう、じっくり時間をかけられるこのタイムスケジュールは、生徒にとって有効であると思います」

ただし、将来の選択のための情報は早い段階から提示されている。中学3年で種々の職業に就いている社会人を招いて実際の仕事の話を聞いたり、高校1年では大学教授による学部の具体的なアピールなどを含んだ講座が開かれている。

高校2年までは全員が同じカリキュラムで受講し、高校3年になると、授業は人文系・社会系・国際系・理系の4つに分かれて受けることになる。これは、一部国公立大学が5教科7科目全受験を実施したことや、大学でスペシャリストを目指すには広い範囲の深い知識が必要となることが理由だ。もちろん、英語科でネイティヴの授業が含まれていたり、情報教育も最先端の技術を修得できるなど、21世紀の活躍に向けた実践教育も盛んに行われている。

また、土曜日に設定されている多くの教養講座の中では、自分に合う学部・学科を選ぶための高大連携講座を開催している。他大学で実力を試したい、同志社大学にはない学科を受験したいという生徒に向けた特別講座もあり、さらに将来の選択肢を広げている。

AO入試完全導入で
バランスの採れた生徒確保へ

男子校時代からの同志社香里の伝統として、生徒のコミュニケーション能力の高さが多方面から評価されている。大学でゼミの中心となる卒業生も多く、社会生活においても卒業生の活躍が広く聞かれる。

このコミュニケーション能力育成のために、生徒の自治活動や生徒会と校長との懇談など、実社会に向けての訓練の場が広く設けられているのも特徴である。

コミュニケーション能力が高い生徒が多いのは、入試の方法にも要因がある。内部進学生が7クラス中6クラスを占める同志社香里では、6年前から高校外部入学時にAO入試を完全導入。客観的な差が出ないように、中学在学時の成績を点数化し、それにクラブ活動や生徒会活動、資格試験合格などの課外活動を評価点に加え、高得点の者から合格者を決める。そのため、成績と課外活動のバランスの採れた生徒が多くなるのだ。

「大学では、モチベーションの高い学生、または何を学ぶか、目的意識をしっかりした学生を求めています。ですから、自分の意見を相手に伝える社会的能力のある生徒が多い我が校の卒業生は、高い評価を受けています」

こうして指導、育成された同校の生徒は、約9割が同志社大学・同志社女子大学へ進むことを決める。中高だけでなく大学での勉強も見通した10年一貫教育が実践できることになり、最終的にはさらに社会性の高い生徒が輩出されるのである。

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.