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中学・高校受験:学びネット

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大阪国際滝井高等学校

 
  入学者は、前年比44%の伸び改善が浸透、人気呼ぶ
女子高の受験者数が低迷する中、今春、定員を上回る入学者を確保したのは大阪府内でわずか4校。そのうちの1校が大阪国際滝井高等学校だ。就任3年目を迎える中田碩也校長のリーダーシップのもと、着実に実施されてきた改革改善が、受験生、保護者、学校関係者に浸透してきたようだ。「凛とした美しい学校」をスローガンに手間隙かけたテーラーメイド教育への取り組みがいっそう加速している。

校 長: 中田 碩也
住 所: 〒570-0062 守口市馬場町2-8-24
電 話: 06-6996-5691
交 通: 京阪本線「滝井」駅から徒歩5分・地下鉄谷町線「太子橋今市」駅から徒歩8分
学生数: 620名 (2007.7.1現在)
ホームページ: http://www.takii-h.oiu.ed.jp/

 

凛とした美しい―あるべき姿を追求

京阪本線「滝井」駅から徒歩5分、大阪内環状線沿いの「国際学園前」交差点は季節の花々で彩られ、大阪国際滝井高等学校を訪れる人の目を和ませる。「身近なことを徹底してやり遂げる。あるべき姿を求め続けるのが教育」と言い切る中田碩也校長の姿勢は門をくぐる前から目にすることができる。

中田校長が就任したのは3年前。民間企業で培った経営ノウハウを生かした学校づくりに、注目する私学関係者は少なくなかった。教育現場に企業経営の論理をどこまで持ち込めるか疑問視する声は、公立校の「民間人校長」が珍しくなくなった今日でも依然として消えることはない。だが、社会のニーズに応え、生徒、保護者の満足度をどこまで実現するかという顧客サイドの視点に敏感でなければならない点は、学校経営においてもなんら経営原則として変わりはない。

この原則に立ち、スピーディでタイムリーな改革改善を積み重ねてきたことが、今春の入試状況に端的に現れたといえる。女子高の人気が低迷する中で、受験者数は1,000名を超え、250名の定員を越える267名が入学した。前年度比44%増の入学者数である。「共学化の傾向が強く、女子高の現実は厳しいが、ピンチはチャンス。滝井の存在感を高める好機ととらえている」と中田校長は強気だ。

今春の入試は府立高校の学区が9学区制から4学区制へと移行し、その影響を心配する声も聞かれたが、私学全体での併願受験者のいわゆる“もどり率”は、平均で11%であった。同校では7%と平均を下回ったものの、府内女子高28校の中では善戦健闘したといえる。だが、私学としてはやはり専願受験者を増やしたい思いはいずこも同じ。そのためには中田校長は今後も特色ある取り組みを打ち出し、実りあるものに育てながら、同時に地道な教育活動を実践することにより、一層の信頼確保に努めたい考えだ。

あらゆる場面でテーラーメイド

同校ではここ1年、NHKをはじめ、民放各局の取材やドラマのロケーションに協力して来たが、そのことが生徒たちを活気づかせている。中田校長は基本的にはマスコミ取材を歓迎しているが、取材に協力することは外部に学校を開いていくということ。ありのままの姿を公開することに不安があっては、テレビ取材は受けられない。そこには「どうぞ我が校をご覧ください」という自信がのぞく。

その自信の源となっているのが、2年前から実践してきたテーラーメイド教育だ。生徒の能力、持ち味に応じて一人ひとりに寄り添った教育が行われ、そのことが学校全体の空気を変えてきたといえる。
生活指導面では一人ひとりに目を配り、ネクタイの締め方ひとつにも根気強く指導を行う。「私自身、毎朝、校門で生徒たちを出迎え、ルーズに締められているネクタイや、だらしない制服の着こなしを見つけると、その場で注意します。面倒がらずに何度でも繰り返すことです」と中田校長。ここにも一貫して「身近なことを徹底してやり遂げる」姿勢がある。指導を受け、その場で服装を直した生徒には「よし、美しくなった」と言って教室へ送り出すという。こうした手間隙かけた指導が学校のあらゆる場面で行われている。今春、制服がコムサデモード・スクールレーベルにモデルチェンジされたが、スタイリッシュなデザインをすっきりと着こなした生徒の影には、こうした指導が繰り返されている。
学習面におけるテーラーメイド教育は特色豊かなコース制に表れている。普通科:体育・吹奏楽コース、標準コース、幼児保育進学コース、看護進学コース、特進コース、国際科と2学科5コースを設置し、最終学年では進路別にきめの細かい指導を行っている。
とりわけ今春から導入された体育・吹奏楽コースは、バレーボール部と吹奏楽部において常に全国屈指の成績を誇る同校が、その得意分野を生かした特色あるコース。併設大学進学後に中学校・高等学校教諭免許や幼稚園教諭免許を取得でき、吹奏楽コースは大阪音大への指定校推薦枠を有している。

また、幼児保育進学、看護進学の両コースはスペシャリストの資格取得を希望する生徒に人気が高く、看護系諸学校への合格実績も2年前の約6倍に伸びている。加えて実績の伸びでいうなら、特進コースの躍進も大きい。通常授業に加え、特別に8〜9時間目の授業を実施し、筑波大をはじめ、広島大、富山大、高知大に合格者を出している。
さらに、今年度から標準、幼児保育の各コースでは、小笠原流礼法を授業に取り入れる。これまでも茶道や着付けなど日本の伝統文化に触れる機会を持ってきたが、週2時間の礼法の授業は女子教育の魅力作りに一役買いそうだ。

学校力は教員力で決まる

学校の総合的な評価に影響を及ぼすもの。それは校風であり、進学実績であり、社会的ニーズへの挑戦であり、設備、生徒の笑顔、保護者の満足・・・と、数えだすとさまざまあるが、その多くは教員が創り出し、育て上げることができるものである。
そうであるなら、その教員の評価は何で決まるのか。中田校長は「授業力、クラス運営力(担任力)、生活指導力」を挙げる。この3つの能力に優れた教員を増やすことが、学校力の向上には不可欠というわけだ。

第一に授業力については、分かる授業、質の高い授業が求められることは、誰もが認めるところである。教員が自らの授業内容を客観視するきっかけづくりのため、公開授業を実施、年2回の外部評価制度も取り入れている。
さて、残るクラス運営力(担任力)と生活指導力の向上だが、授業改善には積極的でも、生活指導は苦手という教員は案外多い。また、生徒一人ひとりに寄り添うことはできても、クラス全体をマネジメントすることに苦慮する教員も少なくない。だが、苦手意識を克服しなければ学校力は向上しない。そこで自己啓発の一環として導入したのが、目標管理制度だ。年度初めに教員各人がさまざまな項目ごとに目標を立て、所定の用紙に目標を記入、校長に提出する。年2回の管理職による面接を受け、目標達成度を確認する。最終的には年度末に達成したかどうかのチェックを受けるというもの。
中には評価制度や管理制度に疑問を抱く教員もいるだろう。時に論争となることもあるかもしれない。だが、変われる学校、学校力を引き上げることができる学校というのはそういう熱い部分を持ち続けられる学校なのだろう。大阪国際滝井高等学校の今後に注目したい。

 
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