サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関西校・ 関西一覧
   

開智中学校・高等学校

 
  入ってから伸ばす指導で国公立へ148名、関関同立へ236名
開校から14年目を迎える開智中学校・高等学校は2006年、大学合格実績をさらに上げてきた。国公立大への合格者は148名と昨年並みだが、医・歯・薬系へ81名、関関同立へは236名が合格。高校入学時、中堅クラスの成績の生徒がグングン実力を伸ばし国立大や難関私大へ進学する。中高一貫コースではその合格率はさらに高い。飛躍的な学力伸長のわけを探った。

校 長: 西下 博通
住 所: 〒640-8481 和歌山市直川113の2
電 話: 073-461-8080
交 通: JR阪和線「六十谷」駅から徒歩5分
学生数: 中学校  452名
高等学校 977名 (2006.9.1現在)
ホームページ: http://www.kaichi.ed.jp/

 

中堅クラスを伸ばす指導力

近年、難関大学への合格者数を急激に伸ばした学校として、一般週刊誌に取り上げられるほど開智高等学校の躍進は注目を集めている。開校からわずか13年。特にここ数年は県内有数の進学校の地位を不動のものとした。だが、取材に応じてくれた土井和正法人本部長の話の中には「うちのような中堅校・・・」という言葉がたびたび飛び出すのである。国公立大へ150名近くの合格者を出している高校が、中堅校であるはずは無論ない。話を聞くうち、その意味がのみ込めた。

つまり、同校を受験する生徒の側から見ての「中堅校」なのである。中学3年の時点で、学力が中の上、偏差値で言えば53〜54といった生徒が専願受験してくるのだ。この層の生徒はコツコツと真面目に学習に取り組む姿勢は持っているものの、集中できる環境に恵まれていないケースや、副教科の点数が取れず内申書コンプレックスから意欲を削がれている生徒も少なくない。環境さえ整えば実力を上げていく要素は十分に持っているのに、公立なら中堅校を受験せざるをえない。こういう生徒や保護者にとって、中学3年の志望校絞り込みの時点で、大学進学を視野に入れるなら、多少の経済的負担を覚悟しても主要教科の実力をしっかりと評価し、さらに伸ばしてくれる学校を選ぶのは至極当然だろう。

高校から入学してくる生徒は国公立大を目指す「T類」と、難関私大を目指す「U類」の2コースのいずれかに籍を置くことになる。3年前に専願で受験し「U類」に合格した生徒は、高2進級時に「T類」へとコース替えをし、この春、現役で京都大学・工学部に合格した。偏差値で言えば、3年間に54から74〜75にまで達したことになる。その飛躍的な学力の伸びを支えるのが、開智独自の指導法であるといえよう。

鍛えられる人格精選の1386時間授業

学力をさらに伸ばすための指導法において、最も重視しているのが同校の教育理念である「人格を鍛えれば、学力は伸びる」の実践である。「高等学校の3年間は“たのくるしい”ものだと思います」と土井法人本部長は話す。楽しくて、苦しい3年間を十分に味わい尽くしてこそ、充実した高校生活と将来に向けた目標を達成し得るということである。なるほど、楽しいだけでは夢は実現せず、苦しいだけで楽しくなければ、どんな努力も続かないものだ。

人格を鍛えるための環境づくりとして、同校では「指導三原則」を規定している。「時を守り、場を浄め、礼を正す」の三原則で、これを学校生活のあらゆる場面で生徒に求めている。時を守る気持ちがなければ、物事の処理はその場しのぎで雑になり、自分自身の良さを発揮できないし、身なりを整え、学習の場を整えなければ勉学に集中する環境を維持することはできない。また、相手を尊重し、思いやる気持ちや行動を取ることができなければ、自身のプライドを保つことができないとの考えからだ。

そして、鍛えられるのは生徒だけではない。教員にとっても、その資質に磨きがかかる環境が同校にはあった。絶えず授業改善を求める気風から、どの授業もすべて公開され、教員同士、互いに授業を参観することで、改善点や参考にすべき点が話し合われる。こうして練り上げられた授業を中学校で年間1386時間も確保している。実に、公立校の1.4倍に当たる時間数だ。英語、数学では2.4倍、国語で1.5倍、理科が1.6倍、社会で1.2倍(いずれも学習指導要領による公立校の授業時間数と比較)となっている。授業は1コマ60分。公立校より10分長く取り、さらに学習到達度を上げている。

これだけのカリキュラムを組むために、毎土曜日に授業を行うことはもちろん、二期制を導入している。これにより夏休みは8月1日から25日まで、冬休みは12月28日から1月6日まで、春休みは3月25日から4月3日までとし、公立校に比べると格段に休みが短縮されている。その上、25日間の夏休み中も、補習を実施。「分からない、解けない」の声には教員が徹底的に付き合う。普段でも夜7時ごろまで残って学習する生徒も少なくない。

日常の学習は確認テストや定期考査、模擬試験など目的に応じて、その都度、学力判定がなされている。「短いスパンで目標設定ができ、自然と基礎学力が積み上げられた」という生徒の声もあり、きめ細やかな到達度確認が行われているようだ。生徒は無論、教員にも頑張りが求められるが、「教員のモチベーションは高い」と土井法人本部長。平均年齢34.2歳という若さもあるが、何より教員を奮い立たせるのは、自分の指導によって目に見えて実力をつけ、自信を得た生徒の笑顔にほかならない。

学びを支える学校行事

さて、土井法人本部長がいうところの“たのくるしい”学校生活の、楽しい部分についてだが、文化祭や体育祭、総合学習としての体験学習などの行事では、若い教員が多いのと、生徒もメリハリをつけて集中することを常としているためか大いに盛り上がるという。とりわけ京都・関西学研都市への宿泊を伴った職業体験研修(中3)や、北海道での酪農体験、川下り(高1)の自然体験は、学習中心の日常から離れ、好奇心を満たし、クラスメイトとの親交を深めてまさに楽しい学校生活に活気をもたらしている。
また、高校2年生を対象とした、国公立大、私立大合わせて28もの大学の先生による「開智オープンセミナー」の開催は、進学ガイダンスの一環として好評だ。どの大学の、どの学部で、どのような研究をすることができるのかといった情報や、同校から実際に各大学へ進学した先輩の研究内容なども知ることができ、学問への探究心や具体的なイメージを膨らませることができる。こうした取り組みが学習意欲へと結びついていくことは言うまでもない。

高校から入学した生徒に対しても、高1から余裕を持って進学ガイダンスを実施しているため、その時点で進路に対する明確な目標がなくても、自然に就きたい仕事の方向性、研究したい学問の分野が定まっていくという。ただし、土井法人本部長は「目標、志望大学を早めに決めた生徒が成功しているようです」と付け加える。進路については保護者の関心も高いため、保護者会や懇談会を頻繁に開き、情報を伝えるとともに保護者側の意見にも日頃から十分に耳を傾けている。

〈お知らせ〉
開智中学校・高等学校では下記の通り入学説明会を開催する。
9月30日(土) 13時30分〜(中学校)、
15時30分〜(高校) いずれも会場は同校ホール。

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.