サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関西校・ 関西一覧
   

京都橘高等学校

 
  志願者数が年々増加の人気校
学園創立105年。緑豊かな桃山御陵のすぐ近くに建つ京都橘高等学校は、その歴史と伝統をふまえながらも、特別進学コースや1年間留学コースの設置、全コースの男女共学化など時代の要望にあった改革を推進してきた。2005年からは併設の大学も新しく「看護学部」と「現代マネジメント学科」を設置し、男女共学の大学としてスタート。2007年4月からは「児童教育学科」も設置され、次代に向けての総合学園として進化している。京都橘高等学校には、今年も定員310名に対し1,647名の志願者が集まった。昨年が1,470名、一昨年は1,345名であったから、年々1割強のペースで増加していることになる。多くの私学が同じように学校改革を推進しているなかで、とりわけ人気の高いその理由を校長先生に詳しく伺った。

校 長: 木内 正廣
住 所: 〒612-8026 京都市伏見区桃山町伊賀50
電 話: 075-623-0066
交 通: 京阪宇治線桃山南口駅下車西へ5分、JR奈良線桃山駅下車東へ徒歩10分、近鉄京都線桃山御陵前駅下車東へ徒歩15分
学生数: 1059名 (2006.9.1現在)
ホームページ: http://www.tachibana-hs.jp/

 

本来、学校は楽しいところ

「なぜ、本校の志願者が年々増え続けているのか、実はよくわからないのです。ですが、もしかしたら、『生徒の“居場所”のある学校をつくろう、楽しくなければ学校じゃない』という教育方針がみなさんに支持されているのではないかと思っています」と木内正廣校長は話す。

生徒の個性は様々である。しかし、同校ではどの生徒も何かやりがいや楽しみをみつけ、一人ひとりが輝くことができるよう、次のような学習環境やサポート体制、施設・設備の充実を心がけている。

  1. 学習と自主活動の両立をめざせる環境づくり
  2. 質の高い授業で進学に必要な実力を養成
  3. 総合進学(A)・特別進学(B)・国際教育(C)の3コースを設置
  4. 国際社会に対応できるよう、語学研修などの多彩なプログラムを準備
  5. 生徒・保護者・教職員の三者で学校づくりをすすめる

まず「学習と自主活動の両立をめざせる環境づくり」に関しては、クラブ活動は文化部16、運動部13と多種類のクラブがあり、多くの生徒が日々活動している。クラブによっては、毎日活動するものから週1〜2日だけというものもあり、自分の学習ペースを考えながら選べるようになっている。活発なクラブとしては、女子バレーボール部は10年来京都府ではNo.1、今春には全国大会で準優勝に輝いた実績を持ち、吹奏楽部も127名の部員を抱え、御堂筋パレードにも出場する。もともと女子校であり、男子は全体の3分の1の生徒数だが、新しい体育館も建てられ男子サッカー部、男子バスケットボール部も女子のパワーに刺激されて、京都府代表を目指して奮闘中である。

「共学になり、大きな声で挨拶する男子のおかげで、学校全体がより元気に挨拶が響き合うようになりました」と木内校長は目を細める。

3つのコースで希望の進路を実現

学習面においては、進路によって3つのコースを設けている。個性を伸ばし多様な進路に対応する「総合進学(A)コース」。1年次の英語に習熟度別のクラス分割授業を導入し、希望者を対象に約10週間のオーストラリア中期語学研修を実施している。より学力をつけたいという生徒には「自由選択」科目を設置し、英語・数学の学力アップを目指す。
このコースではクラブ活動に熱心な生徒も多いため、教員らは学習面でのきめ細かなサポートを行う。2年次に特進のBコースへの変更も可能にしている。

「特別進学(B)コース」は難関大学進学をめざすコースで、BTと国公立大学進学をめざすBUに分けられ、2年次に文系・理系に分かれる。週3回7〜8限授業、土曜日の進学特別講座や学習合宿などを通して自己の可能性に挑戦する。今春同校では大阪市大、大阪府立大をはじめ国公立大学へ39名、関関同立へ107名が合格した。なお、京都橘大学へも特別推薦入学制度で進学することができる。

「国際教育(C)コース」は1クラス30名定員で、全員が1年生の1月から2年生の12月までオーストラリアへ留学するのが大きな特徴だ。現地では、ホームステイをしながらまず英語の集中研修で、英語の授業を理解できるレベルにまで高める。その後3人ずつに分かれ、別々の高校で授業を受ける。現地で受けた授業も単位として認定されるため、留学しても3年間で卒業できる。

「一期生である今春の卒業生のトップの生徒は、TOEICで最高点905点をマークしました(クラス平均は600点)。どの大学に進学するのか楽しみにしていたのですが、昔からの夢であったグルーミングの技術を学ぶため、専門学校で準備し、来年海外へ出発する予定です。それもすばらしいことだと思います」と木内校長。

生き方を学ぶ3年次の総合教科「人間学」

「人間学」とは、男女の相互理解や自立などを学ぶ京都橘高等学校のオリジナル教科である。3年次のみの教科で、全コース共、週2時間がカリキュラムの中に組まれている。この教科には、教科書はなく、国語・地歴公民・体育・家庭科・理科の教師がチームを組み、話し合いながら授業をつくる。地元の新聞にも取り上げられたが、ある授業では、乳幼児の親たちでつくるボランティアグループ“お産からあたたかい社会までお母ちゃんの声、とどけたいなキャラバン隊”のメンバーを招き、出産の苦労や喜び、命の尊さや家族のきずなについて考えた。また別の授業では、性同一性障害の元・男性を迎え、性と生き方について学んだ。

「キャラバン隊の授業の日には、体育会系のいかつい男子が赤ちゃんを抱っこして、目尻を下げていたのが印象的でした。人間学は、できるだけ多くの人の生き方に触れ、自分の将来や人生を考えるきっかけになれば、と大切にしている教科です」と木内校長は語る。
この他演劇鑑賞会や文化講演会なども実施され、社会全体に目を向ける機会を多く設けている。

生徒と教師、保護者の三者で進める学校づくり

学校づくりは生徒と教師、保護者の三者で進めるものとし、「三者交流会」を開催しそれぞれの立場での意見表明をする機会を設けている。また、生徒会と学校との交渉なども活発である。PTAは「父母の会」と呼ばれ、毎週のように楽しい催しも含めたいろいろな会が催され、非常に和気あいあいとした雰囲気で進められている。

こうして保護者と教師にあたたかく見守られ、頑張る生徒たちの姿は、夕方遅くまで、また土曜日なども校内のあちらこちらに見られる。「本当に生徒たちは楽しそうで、7時には下校を促す放送を流すのですが、なかなか帰りません」と木内校長は苦笑する。

「帰りたくない、楽しい学校」。そんな生徒の声を聞けば、志願者が年々増加していることにも納得がいく。今後も注目し続けたい学校である。

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.