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中学・高校受験:学びネット

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クラーク記念国際高等学校 大阪キャンパス

 
  科目やコースを生徒が選択、夢実現を応援する画期的システム
北海道開拓の父、クラーク博士の「Boys, be ambitious.=(キミよ、大志を抱け)」を建学の精神として、1992年に開学したクラーク記念国際高等学校。学校長は、冒険家の三浦雄一郎氏。全国34都道府県に53のキャンパスがあり、全国の生徒総数は11000名を超える。全日型コースをはじめ、週3日通学コースや在宅コースなど、学びのスタイルにはいくつかの選択肢があり、高校教育の新たな可能性を感じさせる。開校3年目の大阪キャンパスを訪れ、その教育方針などを詳しく伺った。

校 長: 松尾隆祐
住 所: 大阪市天王寺区寺田町2丁目1-21
電 話: 06-6772-6666
交 通: JR大阪環状線「寺田町」駅下車徒歩5分
学生数: 527名 (2006.9.1現在)
ホームページ: http://www.clark.ed.jp/osaka/

 

クラーク博士の精神を受け継ぎ 夢へのチャレンジを応援

三浦雄一郎氏と言えば、世界最高齢でのエベレスト登頂達成など、数々の偉業を成し遂げた冒険家だ。その生き方に共鳴したことが、校長就任のきっかけだったというのが、大阪キャンパスの松尾髣S校長。大阪大学名誉教授・理学博士でもあるが、実験に明け暮れる研究生活が長く続いたため、若く活発な高校生に囲まれて、日々新鮮だと語る。

「このところ大阪府下の高等学校では、年間7000名以上の中途退学者が出ているようです。高等学校ゆえ新入学が主ながら、通信制や単位制高項に転入学がニーズとして多いというのにはそのような背景もあるのだと思います。退学する原因は一概には言えないでしょうが、その事で、若者の前途が閉ざされてしまうのは非常に惜しい。自分に合った学び方ならば勉強も楽しくなり、自分らしい道が開けていくはず。そのための環境を用意してやりたい、それが私たちの願いであり、役割だと考えています」

100人の生徒がいれば100通りの大志があり、100通りの学び方があるはず。一人ひとりがより主体的に学べる方法があれば、学校はもっと楽しくなり、自分らしい進路を見出すこともできる。そういうきっかけ作りを重視するのが、同校の方針である。松尾校長自身も、少年時代に理科のおもしろさを知って世界が開けた経験があり、自然科学のものの見方を学ぶことで、自分自身や人間関係を客観的に見られるようにもなったという。

全日型と単位型の2コースから、百人百様の学びスタイルを選択

こうした考えを基本とする同校には、通常の学校と同じ全日制高校と同様の高等学校生活をおくる「全日型」のほかに、「単位型」が設けられている。いずれのスタイルでも、生徒は3年間で卒業できる。

全日型には、4つのコースがある。国公立・私立大学や専門学校への進学を目指す「総合進学コース」、ハイレベルな理科的資質や研究心を養成する「スーパーサイエンスコース」、芸術をコンピュータで表現する技能を養成する「デジタルアートコース」、そして、個別学習との並行が可能な「フレックスコース」だ。「フレックスコース」は、個別指導と集団授業を並行しながら、自分のペースで基本教科を学習していくもので、同校ならではの特徴的なコースだと言えよう。メンタルケアで自信を育てるなど、集団での授業に徐々に慣れていくためのステップアップシステムが用意されている。

「単位型」には、「週3日通学」「週1日通学」「在宅」の3コースがある。このコースを選択する生徒には、独自の夢実現に挑戦しようという者も少なくない。例えば、ピアニスト、プロサッカー選手、モダンバレエダンサーなどとして活躍する、あるいは将来そうなりたいと希望する生徒たちだ。個性を磨き、才能を開花させるための活動や練習と、高等学校としての学習を無理なく並行させながら、自分のスタイルとペースで高校生活を送ることができる。しかも、入学後に、全日型のコースに変更することも可能。他校には見られない、柔軟性に富んだシステムだ。

受験勉強では得られない、学問する楽しさを校長自らが伝授

国際学科の「スーパーサイエンスコース」は、大阪府内私立高校では、初の理科系専門コースだが、松尾校長が直接指導するという点でもユニークだ。実験による検証を中心に、超高校レベルの理科的資質や研究心の養成を目指しているという。大学や研究機関と連携し、第一線の講師陣による特別講座も定期的に開催。若年層に広がる「理科離れ」を阻止したいという狙いもあるようだ。

「例えば、電磁石を利用してブザーを作るというような実験では、数学で学んだ数式を実際に使ったり、力学のシステム的な考え方を組み合わせたりしながら、どういうプロセスでブザーがなるのかを学んでいきます。机上の学問が、実際に役立つのがわかってくるので、皆、非常に熱心です。なるほど、と発見するたびに、喜びが表情に出る。学ぶ楽しさを知ることが、一番大事ですね。覚える、記憶するという受験準備としての勉強ではなく、仮説を立てて、実験で証明していくことのおもしろさを実感してもらいたいんです」
ほかにも、生徒がシュミレーションとして会社をつくって運営しながら、会社設立に必要な知識や起業家精神を学ぶ「会社経営授業」や、提携企業に見習い就職して、実際の職場を体験する「インターンシップ」など、オリジナル授業も充実。生徒の可能性を開拓するために、さまざまなチャンスを設けている。

「親の思い」で教育を

このように、ユニークかつ画期的な教育方法を取り入れている同校には、他校からの編・転入学者も少なくない。中には、人間関係のトラブルを経験するなどして、以前の学校では登校が難しかったという生徒もいる。そうした生徒たちに適切な指導ができるように、クラーク記念国際高等学校の教員は、全員が「学習心理支援カウンセラー」研修を受け、教育学・心理学のスキルを高めているという。しかし、生徒の希望や悩みを尊重し、受け止める度量があるとは言え、入学は、本校の考え方を十分理解してもらってからというのが基本だ。

「出願前に、本人や保護者の方との面談に充分時間をかけます。そして現状だけでなく、将来どうするのかを考慮しながら、コースを選択してもらいます」と松尾校長。
自由な学校というイメージも強いが、生活指導などの“高校生としての躾教育”も厳しく行っている。

ただし、高校生だから、規則だから、という指導の仕方ではない。挨拶ひとつにしても、なぜ、どんな意味があるのかをともに考えながら、これから社会に出ていくうえで、必ず必要なこと、社会人の基本として教えていく。形式ではなく、意味を理解することを重視しているのだ。しかも、生徒一人ひとりの性格や成長度合いに合わせて指導方法を変えている。

「例えば、テスト結果が60点でも、前回90点だった生徒と、40点だった生徒とでは、意味が違います。同じ結果でも、よくやったと評価すべきことはきちんと評価してやらねばならない。叱る時には、本気で叱ります。教師としてというよりも、自分の子どもならどうするのかという『親の思い』を持って接することが必要なんですね。それがわれわれだからこそできる、本当の意味での教育だと思っています」と語る松尾校長の言葉には、生徒と正面から向き合っている教育者の自信が感じられた。

 
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