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中学・高校受験:学びネット

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城星学園中学校・高等学校

 
  一人ひとりの可能性を紡ぎ出す
カトリック精神に基づいた人間育成
幼稚園から高等学校までの一貫教育を通して、「良心的人間、良き社会人」を育てることを目標にしている城星学園。創立者ドン・ボスコの「教育は心の問題であり、青少年を愛するだけでは足らない。青少年が愛されていると感じられるように彼らと共に生きる」という言葉を理念に、女子の全人教育を実践するカトリックスクールである。東京の目黒・赤羽の星美学園を初め、静岡・長崎にも姉妹校を持ち、世界87カ国で同じ建学精神に基づく教育活動が行われている。

校 長: 梶本 秀二
住 所: 〒540-0004大阪市中央区玉造2-23-26
電 話: 06-6941-5977
交 通: 大阪環状線「森ノ宮」駅または「玉造」駅から徒歩10分・地下鉄中央線「森ノ宮」駅から徒歩8分・地下鉄鶴見緑地線「森ノ宮」駅から徒歩10分・「玉造」駅から徒歩6分
学生数: 中学校  185名
高等学校 333名 (2006.9.1現在)
ホームページ: http://www.josei.ed.jp

 

多感な時期の少女を
六年間育てる責任の重さ

城星学園が位置する上町台地は、学園坂の地名があるほど、大阪市内屈指の文教ゾーンとして知られている。周辺には神社や公園、教会が点在、安心して通学できる立地環境。
しかも、大阪環状線と地下鉄の双方を利用でき、森之宮駅と玉造駅のいずれからも近いという便利さ。申し分ない教育環境に感嘆しつつ、城星学園の正門をくぐった。
迎えてくれたのは、幼いイエスを抱くマリアの像。その前では、男子小学生が遊んでいる。まるで母子像に見守られているかのようだ。下級生と手をつないで下校する高校生の姿も見られる。年長者が年下の子の面倒を見るという、かつては当たり前だった光景が、ここでは今もそのままのようだ。それも、同校が幼稚園から高等学校までを同じ敷地内に有する総合学園だからである。「良心的人間、良き社会人」を育てるという創立理念、その精神を垣間見たという思いを抱きながら、梶本秀二校長を訪ねた。

「わが校が目指すのは、一人ひとりの個性を見つけ、可能性を伸ばす教育です。そしてそれは、小規模校だからこそ可能なものだと考えています」と
今年4月に就任した梶本校長は話す。

確かに、一学年当たり中学で70名、高校でも120名という生徒数は、他校と比較するまでもなく少ない。だからこそ、教師は全生徒の顔と名前を把握することができる。生徒と教師の距離が近いから、放課後などに質問や相談もしやすく、生徒に何か変化や問題が起こった場合には、すぐに教師の耳に入る。大規模校の場合には埋もれがちな問題も把握しやすく、大事に至る前に対処することもできるという。

「中学入学から高校卒業までの6年間は、心も体も大きく成長し、少女から大人の女性に向かう、人生において最も多感な時期です。その期間、私たちがお預かりするわけですから、責任は重大。曲がらずに、まっすぐ伸びて欲しいというのが一番の願いです。きちんと挨拶ができる礼儀、豊かな感性も育んでいきたい。それは、生徒とふれあう時間を十分にとらないとできない、詰め込み式の授業だけでは不可能なことです」話す。
梶本校長の言葉には、教育者としての真摯な思いがこもる。

理解度に合わせた授業で
学校嫌いにさせない

同校が方針としているのはゆとりの教育だ。ムリに教科書の進度を速める方法はとらない。生徒の理解度を重視し、一人ひとりが教科書を徹底的に理解できるまで時間をかけるという。

「学校にいる時間は、一日約8時間、そのほとんどが授業の時間です。わからないまま進んでしまえば、当然つまらない。楽しくなければ学校嫌いになり、生徒としての本筋から離れてしまいがちです。逆にわかれば楽しいし、やる気も起こりますよね」

中学校は、普通コース、特進コースがあり、いずれも中高6年間を見すえたカリキュラムを編成。生徒の理解度に応じた授業で、基礎学力をつけることを重視している。
高校に設けられているのは、3つのコース。文・理・看護・芸術系などの大学を目指す普通コース、英語教育とコンピュータ教育を重視し、文系にシフトしたカリキュラムの国際コース、そして、国公立大と難関私大の合格を目指す特進コースだ。特進コースは、中学3年次から英語・数学で高校の内容を先取り学習し、大学進学への準備をスタート。高校2年次からは進路に応じて教科を選択、1授業あたり10名程度という少人数制の授業で、個々の生徒の苦手克服、無理のない受験準備をめざしている。その結果、約8割の生徒が国公立大学、 難関私立大学などに進学しており、その約25パーセントが理工学部・薬学部・医学部などの理科系大学への進学となっている。

一人ひとりの夢実現を
バックアップする進路指導

このように、大学進学への実績も高い同校だが、それは「可能性を伸ばす教育の結果であり、進学率を目標として掲げているわけではない」と梶本校長は言う。同校の進路指導の基本は、自分に最もふさわしい進路にチャレンジすることだ。例えば普通コースでは、「保育士になりたい」「看護師の資格をとりたい」などの夢を持ち、その実現のために短大や専門学校への進路をとる生徒が少なくない。また、1割強の生徒が芸術系(美術・音楽)に進学しているが、履修によって週8時間の実技演習が可能なカリキュラムが功を奏していると見られる。いずれも、偏差値にとらわれず、一人ひとりの希望を叶えるべく、 生徒と教員がよく話し合い、共に取り組んだ成果としての自負があるようだ。

特進コースの有名大学、難関大学への進学率が高いのも、重点的指導の結果ではなく、中学入学時から大学受験を目標にしてきた結果が反映されていると考えられる。
10人の生徒がいれば、得意なことも、将来の夢も、10通りある。それを尊重し、応援してやるのが学校の役割だという指導方針には、大いに共感できる。
「進学率、偏差値の高さが重視されがちな昨今ですが、そういうお仕着せのものさしでは、生徒一人ひとりの良さは見えてきません。私たちが大事にしたいのは、人としての心の偏差値。それを上げることです」

心の偏差値を上げる教育の一環として、今年度からは、「いけ花」を授業に取り入れているそうだ。華道の技術だけではなく、人としてのマナー、礼儀、自然を大切にする心などを育むのが目的。一学期に一回の授業だが、小原流師範の先生を招くという本格的な内容。「花にも命があることを、母にも教えました」と言う生徒もいるなど、生徒達の反響は予想以上。しかも、文科省の「特色ある教育活動」のモデル校として承認されたともいう。

体育祭などの行事、クラブ活動も盛んで、「これが女子高?」と教師側が驚くほど、活発な生徒が多いそうだ。共学校の場合は、男子が主導権を握りがちだが、女子高は当然女子だけで仕切らねばならず、リーダーシップをとって行動する生徒が出てくるのも、当然と言えば当然。が、個性を尊重する学風の影響も、少なくないように見受けられる。
こうしたさまざまな活動経験の中で、女性として、一人の人間としての成長を遂げていく様子を、先生方は温かなまなざしで見守っている。そんな理想的な教育環境が、ここにあることを実感した。

 
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