校訓を具現化した新キャンパス
見守るシンボルの「はともちの木」
1963年に日本体育大学の姉妹校として創立された浜松日体中・高等学校。その建学の精神は「健康と信用は人間最高の財宝(たから)」「努力は天才に勝る」「両親あっての己であることを深く自覚し、その恩愛に報い、その期待に応えよ」であり、52年間脈々と受け継がれてきた。生徒たちは求めて学び、耐えて鍛える精神のもとに、努力を怠らず、目標に向かって着実に歩んでいる。
近年、併願よりも単願での受験生が増加してきており、同校への注目度がさらに高まっている。その要因の一つが、今年の1月に完成した白亜の新キャンパスだ。コンセプトは校訓の「積志力行」「清節篤行」を具現化したもの。校舎の各階にはイメージカラーがあり、1階は大地を表現するイエロー、2階は生徒の情熱を表すレッド、3階は木をイメージするグリーン、4階は空のブルーとなっている。特に「木」に関しては思い入れが強い。同校のグランド中央には、浜松日体高等学校が創立される以前から、自生していた自然木「はともちの木」がある。今では大きく成長し、学園のシンボルとして在校生や卒業生からも親しまれているのだ。
「夏の暑い日は日陰を作ってくれますし、生徒の憩いの場所となっています。校舎のイメージは大地からエネルギーを吸収して、やがて大きく成長していく、浜松日体で育っていく生徒の姿なのです」と松田清孝校長は話す。
その他、教室内は温もりのある木製の建具や照明も目に優しい設計となっている。静岡県で初の「平湯モデル」の図書室、生徒からの公募で名前が決まったという365名収容の「はともちホール」は長い扇形で、大型の映像投影装置や音響設備も設置されている。
医療系学部やGMARCH等の
大学合格実績も顕著
二つ目の要因は、生徒たちの目標や夢を実現するためのコース編成やカリキュラムだ。
中高6年一貫教育では、少人数体制で6年間を見越したカリキュラムが実践されている。また、高入生は東大、京大、早慶等の最難関大および医学部医学科を目指す「選抜コースI類」。月曜から金曜まで7時間授業を確保している。国公立大および難関大を目指す「選抜コースU類」では習熟度別学級編成で学力の向上を。4年制大学の現役合格を目指す「文理コース」では、文系理系に分かれ、進路目標に沿ったカリキュラムで履修するなど、それぞれに手厚い指導で学力を伸ばしている。 |
|
大学合格実績は顕著で、27年度も大きく飛躍した。難関国立大やその他の国立大学への合格はもちろん、GMARCHに至っては47名から86名へと約2倍の合格者を輩出した。
「本校の特徴は医療系の学部に進む生徒が増えていることです。医学科だけでなく歯学科、薬学部、看護学科など幅広く合格しています」
三つ目が、部活での活躍は言うまでもなく、仲間と協力しながら生徒会活動や行事などを作り上げていくという、自主的な生徒が多いことも特徴だろう。生き生きとした生徒たちの姿や生徒の高い満足度は多方面に注目されるのは当然のことだ。
新キャンパスの景観は朝夕ともに光による変化を示す。特に夕暮れ時の空が紫色に変化する頃、照らされた校舎は素晴らしく、その佇まいは100周年に向けた輝く未来を見つめているかのようだ。
|
|