3分の1が国公立大学に
同校のコースは、中高6年一貫の「特進ステューディア(STUDEA)」と、高校3カ年のみの「特進ラトナディア(RATNADEA)」・「普通進学」の3通り。特進コース名の「ステューディア」は「STUDY
+ IDEA = STUDEA」、「ラトナディア」は「RATNA + IDEA = RATNADEA」と、それぞれ2つの言葉を組み合わせたもの。「STUDEA」は「より高い理想をもった学習を」という願いが込められている。一方「RATNA(ラトナ)」とは古代インド語で「宝石」を意味している。
武井隆義教頭は「生徒は原石です。磨いて、潜在的に持っていた能力を120%輝かせます」と胸を張る。
ここ数年は「ステューディア」と「ラトナディア」の入学者数が増え続けている。「ラトナディア」は今年度、クラス数を3クラスから4クラスへと増設。ついに「普通進学」コースと生徒数が逆転した。
大学進学実績も伸びている。今年は特進2コースの卒業生149名のうち、50名が国公立大学に合格した。武井教頭は、5年以内に国公立合格者数を3桁台に乗せるという。
そのためには当然、教師陣の確かな教務力がポイントとなる。同校では教師が生徒の立場に立ち、定期的に大学入試からセレクトしたテストを受けなければならない。それによって自己の学力レベルを絶えずチェック。研鑽に努めている。
特待生の編入が刺激に
中高6年一貫「ステューディア」コースの定員は2クラスで80名。入学当初より、医歯薬系大学や国公立大学進学を目指した指導が行われている。
2年次で中学の全課程を修了。3年次より高校の学習内容に入る。英数国の3科目に重点を置き、隔週ごとに「確認テスト」を実施。その結果に応じて補習を行い、学習内容の完全理解を図っている。
高校進学後も他中学からの入学生とは混在せず、独立したコースとして進む。ただし、例外として「編入特待生」制度がある。外部中学からの入学生のなかで、英数国の成績が特に優れている生徒が特待生に選ばれ、同コースに編入される。特待生に支給される奨学金は、入学金や授業料などを合わせた納入額に相当する。今年度は5名が特待生として編入した。
「中高一貫生は高校入試がない分、中だるみが生じがちです。しかし、優秀な編入生が加わり、良い意味での刺激になります」。
高校2年からは、選択科目が文系と理系に分かれ、徹底した大学受験指導が始まる。
なお同中学の入学試験には、通常の「一般入試」以外に、作文と簡単な知力テストのみの「T.G.入試」がある。「T.G.入試」は、中学受験のために特別な勉強をしていない生徒のなかから、可能性を秘めた個性豊かな子どもを受け入れたいという思いからスタートした。毎年数名が合格し、入学後に大きく成績を伸ばしている。
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成績上位層の女子も
高校3カ年の「ラトナディア」コースは4年前に男女共学化を実施。当初は少数だった女子生徒も年々増え、現在はおよそ3分の1を占めるようになった。女子の場合は、上位公立高校との併願受験が多いという。従来は名古屋市の私立高校を受験していた層である。
「女子の受験生が増えたのは、地元地域で本校の評価が高まった結果でもあります」。
成績上位層の女子が加わり、コース全体が活性化した。
同コースでは高校1年次より、国公立大学や難関私大に照準を合わせた学習指導が行われている。また毎月、同校独自の実力考査を実施。生徒の学力到達度を確認している。
一方、「普通進学」コースは、基礎学力の増強を図りながら、大学進学を目指す。英語の習熟度別クラス編成や各教科の補習により、一人ひとりの学力を着実に伸ばしていく。その結果80%以上の生徒が、国公立大学も含め現役合格を果たしている。
「ラトナディア」「普通進学」とも、6年一貫の「ステューディア」同様、2年次より文系・理系に分かれて徹底した受験勉強に入る。
卒業後の60年に責任を
同校は、柔道の名門校としても全国にその名を知られている。中学の柔道部は2001年に全国大会において団体優勝を果たした。高校も、昨年はインターハイの団体で3位に入賞。今年も愛知県大会で優勝し、インターハイに出場した。
「クラブの歴史は浅いのですが、急速に力をつけてきました」と、柔道部総監督でもある武井教頭。優秀な成績を収めるにつれ、柔道部を目指して全国から生徒が集まるようになった。現在では寮も用意されている。柔道場も通常の5倍の広さ、500畳を確保。中学・高校を合わせて60名の部員が、日々練習に励んでいる。卒業後は、柔道の強豪大学で活躍している生徒も多い。
武井教頭は「小規模校ですから、クラブ活動でも学習指導でも特長を打ち出していきたい」と話す。今後も医歯薬系への進学に力を入れていく。ただし、「医学部に進学させることだけが目的ではありません。将来は良い医師になってもらいたい」。従って学習指導だけでなく、生活指導にも重点を置いている。
「人間として基本的なことが、普通にできるように指導しています」。
生徒と真正面から向き合う。叱るべきときは叱る。この姿勢が、保護者から「安心して預けられる」と信頼を寄せられている。
武井教頭は「学校の仕事は、在学中の3年や6年ではなく、卒業後の60年に責任を持つことです」と力強く語った。
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