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中学・高校受験:学びネット

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日本大学三島中学校

 
  ICT機器の活用により、知識の発信から共有
そして発展的学びへ
日本大学国際関係学部・短期大学部・高等学校が揃うキャンパス内にある日本大学三島中学校。本年度から中学全生徒にiPadを貸与する形で配付し、本格的なICT教育の推進を図る。これまでの「詰め込み型授業」から、知識の発信、共有を通して、より発展した学びへとつなげていくのが狙いだ。タブレット用授業支援アプリ「ロイロノート・スクール(以下、ロイロ)」を活用した双方向型授業についてレポートする。

住 所: 〒411-0033 静岡県三島市文教町2丁目31番145号
電 話: 055-988-3500
ホームページ: http://www.mishima.nihon-u.ed.jp/

 

ICTが生み出す
新たな授業展開

 同校は、昨年、高校1年生全員にiPadを配付したが、今年度から中学生全員にも配付。タブレットの接続環境をWi-Fiではなく、LTE対応にすることで、外での調べ物学習を容易にするだけでなく、災害発生時への備えも考慮。東海大地震が発生すると言われる静岡県ならではのことで、緊急速報や安否確認などにも役立てる狙いがある。

 さまざまな授業での積極的な活用が進む中、中学「道徳」授業では、『情報モラル』をテーマにロイロを活用。「モラルとは何ですか? 情報モラルとは何ですか? 調べてください」と書かれた画面を先生から生徒に一斉配信。一人ひとりの生徒は、それを調べ、カードに書いて先生に提出(送信)する。先生は生徒から送信されてきたカードをまとめ、グループ学習へと発展させていく。

 授業の最後に「LINEの長所と短所をあげてください」という宿題が出る。次の道徳の授業では、先回の復習をしながら、「ネット社会について、もう一度考えてみよう」と、生徒たちが日頃知っているSNSの種類を挙げ、それぞれの機能や特色などに触れながら、宿題だったLINEの短所や長所へとつなげていく。「SNSに関連して、どんな問題が社会で発生したでしょうか?」と問題提起。ネット社会と正しく付き合うことの重要性を再確認し、個人情報を安易に扱わないこと、情報発信のルールを守ることの大切さを学ぶ授業である。

生徒たちの
主体性を伸ばし
先生と生徒の
やりとりを活発化

 ロイロを活用しながらその「提出箱」を見れば、生徒一人ひとりの回答に対して先生が質問をしたり、線を引いて「いい意見ですね」などのコメントをつけたりすることも可能。双方向での授業の他、宿題のやりとりも盛んだ。

 「情報を共有し、自ら考え学ぶ道筋がアプリ上に可視化されるので、作業を進めながら考えをまとめていくことができます」と道徳の教科担任であり、教頭である竹中朝崇先生。

 竹中教頭は、最近では「weekly news」を発信。今まで紙で配っていたものを生徒はもとより親たちも確認できる仕組みを作っている。

 「アプリを活用すれば、家庭とのコミュニケーションもとれますし、セキュリティ面でも安心です」と続ける。

 「数学」の授業では、いろいろな考え方や解き方をクラス全員で共有することにより「そんな解き方があったのか!」という“気づき”につながるという。

 また、「体育」の授業ではビデオで「日大体操」を各自に録画させ、提出させるという使い方もしている。

 「英語」では、4技能(聴く・話す・読む・書く)を中心に、実際に使える英語学習をロイロで実現。発音の練習をする機会や量が増え、生徒の自己表現力や発音向上に役立てている。

 午後の中1「地理」の授業では、日本の明石市とイラクの首都バクダットの時差を求める問題に取り組んでいた。中学校社会地図で位置関係を把握しながら「2つの地点の時差を調べるので、まずは経線を引いてください」と先生。

 「先生、提出すればいいんじゃないですか?」「先生、送ってください」「ロイロにする?」「どこに書き込めばいいですか?」。そんなやりとりが活発に行われている。

 一方で昨年、外務省が主催する「KAKEHASHI Project」に参加。アメリカの最先端ICTソリューションを体験。自らが課題を発見し、解決を図るための新しい知・価値の創造に力を入れている。

 「将来の変化を予測することが困難な時代だからこそ、より本質的な学びが求められています。中高一貫校だからこそ、6年間というスパンで継続的な学びが可能。ICTを活用し、生徒たちの可能性を引き出していきます」と竹中教頭は語る。先生のアイデアと生徒たちのやる気の相乗効果で生まれる双方向型授業が、新しい時代を拓いていく。

 
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