9月
●集客をどうするか
9月のスケジュール欄に記すのは的外れの感もあるが、今年はこの時点で集客をなんとかしておかないと事業経営が危うくなる。
全くの「勘」を承知で申し上げると、学習塾業界の売上は、8月が終わった時点で前年比20〜25%減といったところであろうか。もちろん個々の塾の増減は地域によっても顧客対象によっても、また新年度募集期のコロナ対応によっても異なる。しかし、よほどの例外を除いて、大手中堅はよくて5%減、悪ければ30%減、中小はよくてプラマイゼロ、最悪50%減程度となっているだろう。
通常、9月、10月、11月に塾生数が伸びることはほとんどない。2017年、18年、19年の中規模以上の塾の教場当たりの受講生数は、8月末に比して9月末が平均0・2%減、10月末が0・3%増、11月末が0・4%増であった(経産省「特定サービス産業動態統計」)。
しかし、今年は例年とは違う。生徒・保護者の意識もいつもと同じではないだろう。この時期にコロナの第2波にぶつかっていないことが前提だが、ここで少しでも塾生数を増やしておけるか否かが今後の事業継続のカギと信じて集客に力を注いでいただきたい。
1.集客媒体
集客の媒体は大きく、
@折込チラシ (ポスティング含む) Aインターネット Bクチコミ
の3つに分かれる。どれが最適かは規模の大小、市場内での立ち位置等々によって異なるが、普通の塾はまず狭いエリアへのチラシを考えていただきたい。
狭いエリアとは、具体的には在塾生の8割程度が居住しているエリアと思ってもらってよい。コロナがもたらしたものの一つに遠距離移動への嫌悪・自粛がある。少しでも近い方を選ぶのが保護者の心理だろう。
市場内での比較大手や特化塾に適しているのはインターネットであろう。自社のホームページの充実やブログ掲載、SNS発信はもとより、ネット広告にも安価かつ地域限定のものがある。それらを検討していただきたい。
クチコミは規模の大小、立ち位置等々を問わない。ただし、クチコミはもっぱら保護者経由なので、保護者とのコミュニケーションの多寡が課題となる。電話やメールを含め、迷惑と感じさせない程度の発信は考えてほしい。
なお、以上は3つのどれかをというわけではなく、自塾の状況に応じてすべてをバランスよくという意味に受け取っていただきたい。
2.訴求内容
こちらも規模、立ち位置で変わる。市場内での大手中堅は基本的には「受験」がメインになる。保護者・生徒の関心も「学習の遅れ」であろうから、そこを前面に。
一方、バリバリの受験塾ではなく普通の中小塾に通う生徒の課題は「モチベーション」であろう。「学校授業の予複」をメインに、「個別に丁寧に対応します」を前面に持っていくのがよかろう。
どちらをメインにと迷っている塾では、塾生にアンケート調査を行ってみればよい。塾生の9割が要望し、なおかつ及第点に到達しているサービス、それがその塾の看板商品であることを忘れないでいただきたい。「安全」に関しては改めて言うまでもなかろう。
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