12月
●冬期講習の広告宣伝
本格的な冬を迎えて新型コロナ禍がどうなっているのか、またコロナの長期化によって一般家庭の経済状況がどうなっているのか、現時点では全く予測できない。
ここではむやみに妄想を広げるのはやめ、学校行事や入学試験等が多少変更されるにしても、ほぼ例年通りのスケジュールで進んだ場合という条件付きでポイントを押さえておくことにしたい。
冬期休暇は短くなる。たいていの地域では通常、12月25日から1月7日までの2週間のはずだが、今期は10日間程度、短いところでは年末の3日間プラス年初の3日間の計6日間ということもあるかもしれない。冬期講習もそれに応じて短縮せざるをえまい。
広告宣伝は受験生を中心にするか、来年春の募集を見据えて中高の2年生以下を中心にするか、考える必要がある。自塾で一般入試受験者が多いようなら受験生中心、推薦希望者が頻出して受講生が減るようなら思い切って2年生以下ということでもよいかもしれない。
媒体は新聞折込、フリーペーパー折込、ポスティング、校門配布等の紙媒体とHP、ブログ、SNS、ネット広告等のネット系の双方を使うことになる。ネット系は早い時期から、紙媒体は12月10日前後のどこかでドカンとをお勧めしたい。
ただ、とくに注意しておきたいのは、決め手は結局保護者の「クチコミ」だということである。
8月に全国学習塾協会が実施した塾事業者アンケート調査によると、7月末時点で在籍者数が前年を上回った塾が13・0%あった。コロナ禍のなかでも前年比プラスの塾があったことに驚かされるが、こうした塾のほとんどがコロナ休校中、「保護者とのコミュニケーションを増やした塾」、「子どもからの質問に丁寧に対応した塾」だと言われている。塾生の保護者はもとより講習申込者の保護者とも、時間をかけてしっかりコミュニケーションをとっていくことだ。
●三者面談
中学校では二学期末の定期テストのあと、受験生の三者面談が実施される。その前に塾でも三者面談を行っておきたい。
地域の空気感によってかなりの違いはあろうが、今年は@推薦希望者が増えるとともに、A遠方の高校への志願者が減るものと予想される。前者は長期の学校休校に由来する学力不安、後者は通学に公共交通機関を利用する際の感染不安が原因だろう。これまでの「偏差値中心の学校選び」では割り切れない感情も入ってくるので、生徒・保護者の言い分をじっくり聞いたうえで対応したい。
なお、大学受験にも同じ傾向が出て、旧制帝大クラスの志願者は別として、例年ならば大都市の有名私大を受験する志願者は減少し、国公立を含めた地元大学優先ということになるだろう。
●その他の留意事項
◇小学生お楽しみイベント
クリスマス会など、飲食を伴うイベントは難しい。野外でストレスを発散できるイベントなどを企画できないか。
◇小6生の英語
新中1の英語は新指導要領導入で一気に難化する。保護者に知らせたうえで、できるだけ早く準備講座などの対応策を用意する。
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