学校散策 掲載:塾ジャーナル2021年5月号/取材:塾ジャーナル編集部

高校入試で単願出願者が殺到
静学の「だけじゃないチカラ。」へ大きな期待

静岡学園中学校・高等学校

この春、静岡学園の人気が爆発した。高校入試の受験者が前年度から大幅に増加。特に単願出願が昨年152名に対し、213名と一気に60名近く数を増やし、「静学に入りたい!」と熱望するシズガク人気が加速している。
さらに100名近くの国公立大学の合格者を出すなど、大学進学面でも躍進を遂げている同校。サッカー部をはじめとする全国レベルの部活動にも注目が集まっている。
同校のスローガンは「だけじゃないチカラ。」静学で何事にも全力投球し、文武両道を果たして、全国そして世界へと羽ばたく生徒の様子を紹介する。


前年度チャンピオンを撃破
卓球・鈴木笙選手

2020年1月、「全国高等学校サッカー選手権」で日本一に輝いたサッカー部。「サッカー部の試合ぶりを見て、『あの素晴らしい学校に行きたいと思いました』と言ってくれる受験生もいました。今年の高校入試では県外からも優秀な生徒が集まってくれ、本当に嬉しく思います」と鈴木啓之校長は話す。高校入試だけでなく、中学入試でも大きく受験者数が増加。いかに多くの受験生が静学に注目していたかがわかる。
さらに、サッカー部の他にも全国レベルで活躍する選手が多いのが、シズガクのすごいところだ。
卓球部の高校3年生、鈴木笙選手は2021年1月に開催された「全日本卓球選手権大会」(一般男子の部)で、前回の覇者・宇田幸矢選手を破る大金星をあげた。高校生が優勝候補の宇田選手をフルセットの末に撃破したことは、卓球界のビッグニュースとなった。

「宇田選手に勝つチャンスがあるとしたら、この試合かな? と思っていました」と、当日の試合を振り返る顧問の寺島大祐先生。鈴木選手にとっては5試合目だったが、第1シードの宇田選手にとっては初戦。試合感覚がまだ掴み取れず、宇田選手が感覚を取り戻す前にたたける可能性が大きい、という意味で鈴木選手に勝機があったといえる。
実は静学卓球部は国内トップ選手の一人、森薗政宗選手(この大会で準優勝)と交流があり、一緒に試合や練習する機会があった。「『森薗選手とわたり合えるのだから、ランクは同じ。十分に勝てるチャンスはある』と鈴木選手を送り出しました」と寺島先生。森薗選手との練習が部員たちの自信につながり、勝利を引き寄せた。
鈴木選手は大阪出身。卓球強豪校の静学で卓球に打ち込みたいと高校から入学した。現在はキャプテンを務め、25名の卓球部員をまとめている。
「鈴木選手のプレイスタイルは前陣速攻タイプ。卓球台に近いところで打つので距離が短い分、高速ラリーになります。また、両ハンドドライブ型でフォアでもバックでもドライブが打てます。非常に手の感覚がいい器用な選手です」と寺島先生は話す。
2月に行われた静岡県高校新人戦男子シングルスでは、鈴木選手の優勝を筆頭に、優勝から5位までを静学が独占した。
一方、柔道部では2021年3月に行われた「全国高等学校柔道選手権大会」で、高校2年生の長澤篤希選手が、男子81 ㎏級に出場。なんと全5試合一本勝ちで優勝し、高校生日本一の栄冠を手にした。サッカー部も静岡県高校新人サッカー大会で3年ぶり16回目の優勝を果たすなど勝ち続けている。まだまだシズガクの快進撃は止まらない。

部活動に海外留学
全力で取り組み大学進学へ

静学が支持されているのは、単に部活動が活発なだけではない。生徒が部活動やボランティア活動、学校行事などに積極的に取り組みながらも、しっかりと学力をつけ、大学進学へと導いてくれることが高く評価されている。
同校の学校案内等を見て驚くのが生徒たちの多彩な活動とそれに伴う大学進学先だ。第12回東京国際声楽コンクール高校3年・卒業生部門で第3位になった長谷川大翔さん(R2年度卒業生)は東京藝術大学に進学している。
全国制覇を成し遂げたサッカー部では、キャプテンの阿部健人選手はアメリカのメリーランド大学に進学。柿本音王選手は全国大会決勝の5日後にセンター試験に挑み、第一希望の東京学芸大学に合格した。ほかにも文武両道を実践して大学進学を決めている生徒が続出している。
文化系の生徒の活躍もめざましい。2年次にニュージーランドに短期留学、文部科学省主催「トビタテ! 留学JAPAN」プロジェクトでガーナに留学した生徒は慶應義塾へ進学。吹奏楽部に所属し、日本管楽合奏コンテストでも入賞をした生徒は、部活と勉強を両立させて静岡県立大学に進学するなど、何事にも全力で取り組んでいる生徒の姿が見えてくる。
2021年度の大学合格実績では、国公立大が96名、難関私立大学(私立大医学部医学科を含む)が134名と、コロナ禍や共通テスト初年度というハンデがありながら、前年度を上回る結果となった。
「静学は勉強も部活も行事も頑張る学校、ということがよく知られるようになったと思います。静学は自分のやりたいことができる。でも、自分の選択にきちんと責任を持ち、自己管理をすることが重要。自分の夢を叶えて、大学進学を果たした生徒たちはそれを実証してくれたと思います」と鈴木校長は誇らしげに語る。

自分で選んで体験できる
特別プログラム

鈴木校長が大事にしたいと考えているのは、「生徒が自分で選び、行動する姿勢」だ。
静学には6つの特別プログラムがあり、生徒はボランティア活動やインターナショナルプログラム、地域共生活動など、様々な体験ができる。
その一つ「SGT(SHIZUGAKU GOLDEN TIME)」では放課後を使い、専門家による講演や和菓子づくり体験、フラワーアレンジメントや大学受験講座など多彩なプログラムが用意されており、生徒は自由に選択して受講している。

「農業体験講座〜棚田で遊ぼう〜」では、農薬や肥料を使用しない自然農による田んぼづくりをする市民グループ「清沢塾」の活動に参加。ホタルやカエルなどの生き物がすむ田んぼで田植えや草取り、稲刈りを体験する。「棚田の体験を楽しみにしている新入生もいますね。地域の方々とも交流させていただくことができ、環境問題を考える良いきっかけにもなると思います」と鈴木校長。
昨年度はコロナ禍のため、学校説明会や体験入学は人数制限をしての開催となった。その代替として、個別相談会を随時実施したところ、じっくりと相談することができ、学校の魅力をストレートに伝えることができた。そのことも受験者を増やした要因の一つと考えている。
「たくさんの入学生を迎えることができ、さらに学校が活気づくと期待しています。多様な才能を持った様々なタイプの生徒が在籍していることは、これからの学校にとってはとても大切なことです。多様性ってすごく重要だと思います。目標に向かって突き進む仲間の姿に刺激を受け、自分も頑張ろうと思う生徒も増えていくことでしょう。これからの静学生の活躍が非常に楽しみです」と鈴木校長は話している。

静岡学園中学校・高等学校   https://www.shizugaku.ed.jp